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登別市で検査済証がない場合の旅館業許可

登別市の旅館業の窓口は室蘭保健所です。同保健所は添付書類⑧を「建築基準法第7条の2第5項の規定による検査済証(または検査済証交付証明書・台帳記載事項証明書)」としており、旅館業の必要書類一覧そのものに代替が書かれています。台帳記載事項証明書の交付先は建物の規模で登別市役所と北海道胆振総合振興局室蘭建設管理部に分かれます。市域の約47%は都市計画区域の外です。

本ページは、登別市の物件について公開資料から確認できた範囲の整理です。 北海道全体の扱いは北海道のページにまとめています。 個別物件の扱いは物件の状態や窓口の判断によって異なります。最新の要件は必ず管轄の窓口でご確認ください。

登別市の窓口は3つに分かれます

旅館業・建築・消防はそれぞれ別の窓口が所管します。ここを取り違えると、書類を持っていない窓口に通うことになります。

都市計画区域の内外:一部区域外

この市町村には都市計画区域の内と外の両方があります。同じ市町村内でも、物件の所在地によって建築確認申請の要否が変わります。

区域区分:区域区分あり(市街化区域・市街化調整区域)。当初決定:昭和45年12月28日北海道告示第3109号/最終変更:令和3年3月23日北海道告示第230号

登別市は北海道内で数少ない線引き(区域区分)都市計画区域を持つ市町村のひとつ。市の公開表の数値から、行政区域21,221haのうち市街化区域はわずか約1,403ha(約6.6%)、市街化調整区域が約9,820ha(約46%)、都市計画区域外が約9,998ha(約47%)という按分になる(%は市の公開表の面積から算出した概算で、市の公開資料の文言ではない)。市の建築確認一覧表では法6条1項3号の「地域」欄が「登別市内の都市計画区域」とされ、区域外が存在することが確認できる。ただし旅館・ホテルは法6条1項1号(特殊建築物200㎡超)で「登別市内全地域」が対象と明記されており、都市計画区域外でも200㎡超の用途変更には確認申請が必要。なお旅館・ホテルは建築基準法上の特殊建築物であり、用途変更する部分の床面積の合計が200㎡を超える場合は、都市計画区域の外であっても建築確認申請が必要になる。「区域外だから建築確認は要らない」と一律には読めない。

出典:登別市の都市計画(区域区分・用途地域・防火地域等の告示番号と面積)/登別市都市整備部都市政策グループ/公開日 2024年10月17日

旅館・ホテルを建てられない用途地域

旅館・ホテルが建築できない用途地域の対応づけ(第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・第一種中高層住居専用地域・工業専用地域)は建築基準法別表第2に基づく整理であり、登別市の公開資料にそう書かれているわけではない。面積数値のみが市の公開表の逐語。合計すると約578ha=市街化区域約1,403haの約41%にあたる(%は市の公開表の面積から算出した概算)。第二種中高層住居専用地域(約168ha)は3,000㎡以下のホテル・旅館も建てられない点に注意が必要だが、これも別表第2に基づく整理。

物件の用途地域は住所単位で決まります。建物の状態に問題がなくても、用途地域によっては旅館業の施設にできません。

登別市の上乗せ規制・地域の手続き

旅館業法とは別に確認が必要になる、立地と運営に効く地域の手続きです。市町村独自のものだけでなく、国・県の制度を含む場合があります。日程に直結するものがあります。

登別市火災予防条例の一部改正(サウナ設備・感震ブレーカー関係)

サウナ設備を「一般サウナ設備」と「簡易サウナ設備」に区分し、一般サウナ設備は設置前に所轄消防への届出が必要と明記された。

日程への影響:令和8年3月31日施行。温泉旅館でサウナを新設・改修する場合、設置前に消防への届出が必要になり、工事日程に組み込む必要がある。登別は温泉旅館が集積しており、サウナ併設が一般的。

登別市建築基準法施行細則 第7条第3項(既存建築物実態調書)

既存不適格建築物(法第86条の7に規定する建築物)の増築等では、市の別記第2号様式「既存建築物実態調書」の確認申請書への添付が義務。

日程への影響:検査済証が無く図面も乏しい古い建物ほど、この調書を埋めるための現況調査に時間がかかる。「添付しなければならない」と義務の文言で書かれており、任意の資料ではない。

登別市建築基準法施行細則 第7条第1項(がけの断面図)

北海道建築基準法施行条例第6条の2の適用を受ける建築物では、敷地とがけ(高さ2mを超えるもの)の状況を示す断面図の添付が義務。

日程への影響:登別温泉・カルルス地区は渓谷・傾斜地に立地する宿が多く、がけ条例の対象になれば地質を含む断面図の作成が追加で必要になる。

防火地域(登別温泉町の商業地域 約28ha)

登別温泉町の商業地域が防火地域に指定されている。準防火地域は中央町の商業地域と近隣商業地域 約62ha。

日程への影響:防火地域では建築物の耐火性能要求が最も厳しく、木造の古い建物を旅館へ用途変更・増築する際の工事内容とコストに直結する。物件が登別温泉町中心部かどうかで話が変わる。

温泉法に基づく温泉利用許可(室蘭保健所)

宿泊施設で温泉を利用する場合、旅館業許可とは別に温泉利用許可が必要。成分掲示と10年ごとの再分析義務がある。

日程への影響:登別温泉・カルルス温泉の物件では旅館業許可と温泉利用許可の2本立てになる。既存施設を引き継ぐ場合、前所有者の温泉成分分析が10年を超えていると再分析が必要で、分析機関の手配に日数がかかる。新規申請前の保健所相談が明示的に求められている。

入湯税(登別市税・目的税)

鉱泉浴場での入湯行為に課税。一般客の宿泊は1人1日300円。旅館・ホテル等が特別徴収義務者となり、翌月末日までに納入申告書を提出して納入する。

日程への影響:開業後の毎月の実務。開業前に市民生活部税務グループへの特別徴収義務者としての手続きが必要になる。旅館業許可の話とは別軸で、忘れられやすい。

宿泊税(登別市は市町村分なし・北海道分のみ)

北海道宿泊税が令和8年(2026年)4月1日から課税開始。北海道の「宿泊税税率一覧」(2026年3月1日時点)の2026年4月1日以降課税一覧に登別市の記載はなく、登別市は「北海道(下記市町村以外)」に該当する。

日程への影響:登別市の物件は道税のみ(5,000円以下100円/5,001円以上2万円未満200円/2万円以上5万円未満500円/5万円以上10万円未満1,000円/10万円以上2,000円)。市町村分の上乗せ登録・申告は不要。同じ室蘭保健所管内でも洞爺湖町は市町村分を課しており、管内で扱いが違う。

登別市景観とみどりの条例(届出義務は限定的)

届出義務は「景観・みどり遺産」に指定された場所での行為に限られており、一般の建築行為への景観届出義務は本条例には確認できなかった。

日程への影響:登別温泉という景勝地でありながら、条例本文からは一般物件の景観届出による日程遅延は読み取れない。ただし景観法に基づく景観計画・景観地区の有無は確認できていない。

北海道のページには書いていない、登別市固有の点

  1. 室蘭保健所は、検査済証の代替として「検査済証交付証明書・台帳記載事項証明書」を必要書類一覧の括弧書きで明示している。北海道ページは「北海道の資料では『建築台帳記載事項証明書』という名称は使われていません」と書いているが、これは岩内・倶知安保健所の資料に限った話で、室蘭保健所は「台帳記載事項証明書」の語をそのまま使っている。

    登別市の物件では、建築部局に頼む証明の名称を「検査済証明書」ではなく「台帳記載事項証明書(検査済証交付証明)」で通せる。登別市役所も同じ名称でページを持っているため、保健所と市の呼び名が一致しており、話が早い。北海道の県ページの記述をそのまま登別に当てると名称が食い違う。

    出典:旅館業営業の許可申請について(PDF・室蘭保健所/必要書類⑧に検査済証交付証明書・台帳記載事項証明書を併記、手数料明記)

  2. 室蘭保健所は、検査済証(添付書類⑧)と、用途変更に伴う建築書類(200㎡超=確認済証/200㎡以下=建築士による証明書)を、別の場所に別立てで掲げている。軸が分かれていることが公開資料の構成から読み取れる、道内では珍しい書き方。

    建築士による証明書は「用途変更200㎡以下」の適合確認ルートであって、検査済証の代替ではない。室蘭保健所の資料はこの2つを別立てにしており、宿カギの説明と一致する。札幌市は「建築確認申請の要否」で分け、岩内保健所は用途変更の区分を掲載していない。同じ北海道でも3通りの分け方があり、登別市の申請者は室蘭保健所の分け方に合わせる必要がある。

    出典:旅館業営業について/胆振総合振興局保健環境部保健行政室(室蘭保健所)/ページ更新日 2026年7月27日

  3. 登別市は建築主事を置いているが、その担当範囲は法6条1項2号の小規模木造と3号に限られ、旅館・ホテル(法6条1項1号=別表第1(い)欄の特殊建築物で床面積200㎡超)は登別市建築主事の対象外で、北海道建築主事または胆振総合振興局建築主事が扱う。一方で書類申請の受付窓口は市役所本庁舎3階。

    旅館業は北海道(室蘭保健所)、建築確認も規模により北海道(胆振総合振興局)というねじれ。市役所に相談に行っても審査するのは道であり、事前相談は道へ、という案内が市のページに明記されている(「※事前相談についても、上記申請先に問合せ願います。」)。市に聞けば済むと思って動くと、相談先を取り違えることになる。

    出典:建物を建築するとき/登別市都市整備部建築住宅グループ/公開日 2025年05月01日

  4. 台帳記載事項証明書の交付先が建物の規模で市と道に分かれる。登別市役所が出せるのは「300㎡以下かつ2階建て以下の木造住宅」「200㎡以下かつ平屋建ての木造以外の住宅」「200㎡以下の住宅以外の建築物」で、これを上回る規模は北海道胆振総合振興局室蘭建設管理部建設行政室建設指導課へ。民間指定確認検査機関が発行元の場合は当該機関へ。

    旅館規模の建物(200㎡超の非住宅)は、登別市役所では証明が取れない。室蘭建設管理部へ行く必要がある。保健所が求める書類⑧の入手先が、建物の規模と用途で3か所(市/室蘭建設管理部/民間確認検査機関)に分かれる。ここを間違えると初動で1〜2週間失う。市はオンライン申請フォーム(logoform.jp/form/szZL/196156)も用意している。

    出典:台帳記載事項証明書(建築基準法)について/登別市都市整備部建築住宅グループ/公開日 2025年04月01日

  5. 登別市は区域区分(線引き)が行われている都市計画区域を持つ。行政区域約21,221haのうち市街化区域は約1,403ha、市街化調整区域は約9,820ha、都市計画区域外行政区域は約9,998ha。

    市域の約半分が市街化調整区域、約半分が都市計画区域外で、市街化区域は全体の1割にも満たない。市街化調整区域の物件を旅館へ転用する場合は都市計画法上の許可が別途論点になり得るため、まず物件がどの区分にあるかを確認するのが第一手。北海道の県ページは区域区分に一切触れていない。

    出典:登別市の都市計画(区域区分・用途地域・防火地域等の告示番号と面積)/登別市都市整備部都市政策グループ/公開日 2024年10月17日

  6. 登別温泉町の商業地域が防火地域(約28ha)に指定されている。北海道内で防火地域の指定は限られ、登別温泉中心部がそれに当たる。

    防火地域では耐火性能の要求が最も厳しくなる。登別温泉町の古い木造建物を旅館へ用途変更・増築する場合、工事内容とコストが他地区と大きく変わる。物件住所が「登別温泉町」かどうかを最初に確認する価値がある。

    出典:登別市の都市計画(区域区分・用途地域・防火地域等の告示番号と面積)/登別市都市整備部都市政策グループ/公開日 2024年10月17日

  7. 登別市の入湯税は一般客の宿泊で1人1日300円(令和2年4月1日に150円から引上げ)。旅館・ホテル等が特別徴収義務者となり、翌月末日までに納入申告書を市に提出する。

    料金設計と開業後の毎月の事務に直結する。日帰り50円、湯治客70円など区分があり、12歳未満は課税免除。市民生活部税務グループが窓口。北海道の県ページには入湯税の記載が無い。

    出典:入湯税(税率・特別徴収・課税免除)/登別市市民生活部税務グループ/公開日 2019年12月17日

登別市の物件で次に確認すること

  1. 物件の所在地が登別市内であることを確認し、旅館業=室蘭保健所、建築=規模により登別市役所または胆振総合振興局、消防=登別市消防本部(詳しくは上の窓口表)と、3つの窓口を分けて考える。
  2. 用途変更する部分の床面積の合計が200㎡を超えるかを確認する(超える場合は都市計画区域の外でも建築確認申請が必要になる)。
  3. 検査済証が見つからない場合、建築部局に台帳の記録が残っているかを照会する。
  4. 登別市火災予防条例の一部改正(サウナ設備・感震ブレーカー関係)の対象になるかを確認する。
  5. 登別市建築基準法施行細則 第7条第3項(既存建築物実態調書)の対象になるかを確認する。
  6. 登別市建築基準法施行細則 第7条第1項(がけの断面図)の対象になるかを確認する。

公式資料・確認日

北海道内の他の市町村

同じ北海道でも、旅館業と建築の窓口・上乗せ規制・都市計画区域の扱いは市町村ごとに異なります。 物件の所在地が異なる場合は、その市町村のページをご覧ください。

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免責事項
本ページは一般的な情報提供を目的とするものであり、個別物件について法的・技術的な判断を保証するものではありません。必要な書類や手続きは、自治体、建物の状況、用途、面積、改修履歴などにより異なります。実際の申請にあたっては、所管行政庁および建築士などの専門家へご確認ください。