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高山市で検査済証がない場合の旅館業許可

高山市の旅館業許可は岐阜県飛騨保健所が窓口で、県の共通案内は検査済証の写しを「原則添付が必要」とし、検査済証がない場合の代わりの書類は公開資料に書かれていません。取扱いは物件ごとに異なるため、飛騨保健所への相談が起点になります。建築側は、高山市が小規模建築物のみを扱う限定特定行政庁のため、旅館規模の確認・用途変更は市ではなく岐阜県飛騨建築事務所または指定確認検査機関の扱いになる場合が多い構図です。さらに高山市には、旅館営業許可申請書等の提出の60日前までに市へ出す旅館等建築申請、関係法の許認可申請より前に済ませる景観条例の手続き、重要伝統的建造物群保存地区内の許可申請といった、県の手引きには載らない市独自の手続きが重なります。市域の9割超は都市計画区域外のため、物件が合併前のどの町村にあるかで建築確認の前提も変わります。まず所在地の判定から始めてください。

本ページは、高山市の物件について公開資料から確認できた範囲の整理です。 岐阜県全体の扱いは岐阜県のページにまとめています。 個別物件の扱いは物件の状態や窓口の判断によって異なります。最新の要件は必ず管轄の窓口でご確認ください。

高山市の窓口は3つに分かれます

旅館業・建築・消防はそれぞれ別の窓口が所管します。ここを取り違えると、書類を持っていない窓口に通うことになります。

旅館業は県(飛騨保健所)、建築確認は規模により市(建築住宅課)・県(飛騨建築事務所)・指定確認検査機関に分かれ、さらに市独自の旅館等建築申請(建築住宅課)・景観条例の手続き・伝建地区の許可申請(文化財課)が別レーンで先行します。窓口の数が多い自治体なので、どの手続きがどこ宛てかを最初に整理してください。

都市計画区域の内外:一部区域外

この市町村には都市計画区域の内と外の両方があります。同じ市町村内でも、物件の所在地によって建築確認申請の要否が変わります。

区域区分:非線引き都市計画区域(市街化区域と市街化調整区域には区分されていません)

都市計画区域は高山地域の全域と丹生川・清見・国府各地域の一部の合計19,402ヘクタールで、行政区域の約9パーセントにとどまります。荘川・朝日・高根・上宝など他の旧町村部は都市計画区域として掲載されていません。なお旅館・ホテルは建築基準法上の特殊建築物です。用途変更する部分の床面積の合計が200平方メートルを超える場合は、都市計画区域の外であっても建築確認申請が必要になります。「区域外だから建築確認は要らない」と一律に読まないでください。

出典:都市計画とは|高山市(都市計画課)高山市の都市計画について(都市計画区域の指定範囲)|高山市(都市政策部)

高山市の上乗せ規制・地域の手続き

旅館業法とは別に確認が必要になる、立地と運営に効く地域の手続きです。市町村独自のものだけでなく、国・県の制度を含む場合があります。日程に直結するものがあります。

高山市特殊旅館建築等の規制に関する条例(旅館等建築申請)

旅館業法によるホテル営業・旅館営業などの用途に供する建築物が対象です。最初の行為を行う60日前までに都市政策部建築住宅課へ申請書を提出し、計画が条例の規定に適合している必要があります。添付書類は付近見取図(縮尺2500分の1)・配置図・各階平面図・立面図・各室の詳細図及び展開図・断面図(2面)・看板等の図書のほか、隣接土地所有者の同意書が含まれます。添付書類に検査済証・確認済証・建築士による証明書の記載はありません。

日程への影響:旅館営業許可申請の前に60日の待機が入るため、日程が約2か月前倒しになります。隣接土地所有者の同意書は取得に時間がかかる場合があるため、最初に着手すべき書類です。

高山市美しい景観と潤いのあるまちづくり条例

市全域が対象で、延べ床面積300平方メートル以上または高さ10メートル以上の建築物の建築などが条例手続きの対象です。500平方メートル以上の土地の区画形質の変更、300平方メートル以上の建築物の色彩変更や模様替えなども対象になります。旅館業などの関係法に基づく許認可申請より前に、条例の手続きを済ませる必要があります。

日程への影響:旅館業許可申請の前段に条例手続きが積み上がります。景観重点区域では届出対象が一般区域と異なるため、物件の区域を先に確認する必要があります。

高山市景観計画(14の景観重点区域)

平成18年12月22日に策定され(最新は令和8年4月変更)、市内全域が景観計画の区域です。奥飛騨温泉郷・高根・城下町・中心商業など14の景観重点区域が指定され、一定規模以上の建築物の建築や開発行為には届出等の手続きがあります。

日程への影響:奥飛騨温泉郷が景観重点区域に含まれるため、温泉地の旅館計画でも景観手続きの確認が必要です。

重要伝統的建造物群保存地区(三町・下二之町大新町)

三町(昭和54年2月3日選定)と下二之町大新町(平成16年7月6日選定)の2地区があり、地区内ではすべての建造物について、新築・増改築・除却(解体)・外観の変更などの前に高山市(教育委員会事務局文化財課)への許可申請・届出が必要です。工事は条例と各地区の保存計画の基準に基づく必要があります。伝統的建造物の修理や修景には事業費の一部を補助する制度もあります。

日程への影響:古い町並(三町)周辺の町家を宿にする計画では、旅館業・建築確認とは別にこの許可申請が先行します。

高山市宿泊税(令和7年10月1日導入)

税率は1人1泊の宿泊料金1万円未満が100円、1万円以上3万円未満が200円、3万円以上が300円の3段階です。小学生以下に相当する年齢の者と修学旅行の児童生徒・引率教職員等は課税免除です。宿泊施設が宿泊料金と併せて徴収します。法定外目的税の新設には令和7年3月21日付けで総務大臣が同意しています。

日程への影響:開業日程よりも開業後の運用に効きます。宿泊事業者として徴収・申告の事務が生じるため、料金表示・予約システムの設定を開業前に整える必要があります。

岐阜県のページには書いていない、高山市固有の点

  1. 高山市は建築基準法第97条の2による限定特定行政庁で、市の建築住宅課が確認申請を受け付けるのは木造2階建住宅など小規模な建築物等に限られます。それ以外の建築物は岐阜県飛騨建築事務所(所管区域:高山市・飛騨市・下呂市・大野郡)または高山市を業務区域とする指定確認検査機関が提出先です。

    県のページの特定行政庁一覧では高山市が岐阜市・大垣市などと並んで挙げられていますが、実際には権限が小規模建築物に限定される類型です。旅館規模の物件の用途変更確認や台帳の照会は、市ではなく飛騨建築事務所の扱いになる場合が多く、最初から市役所に問い合わせると窓口を取り違えます。

    出典:確認申請書等の提出について|高山市(都市政策部建築住宅課)県内の特定行政庁|岐阜県(建築指導課)

  2. 高山市の都市計画区域は高山地域の全域と丹生川・清見・国府各地域の一部の合計19,402ヘクタールで、行政区域の約9パーセントにとどまります。非線引き都市計画区域で、荘川・朝日・高根・上宝など他の旧町村部は都市計画区域として掲載されていません。高山市は平成17年2月1日に旧高山市が丹生川村・清見村・荘川村・宮村・久々野町・朝日村・高根村・国府町・上宝村を編入合併して誕生した、面積2,177.61平方キロメートルの日本一大きな市です。

    物件の所在地が合併前のどの町村かで、都市計画区域の内外が変わり、建築確認の要否の扱いが変わります。奥飛騨温泉郷(旧上宝村)など山間部の古民家は都市計画区域外に立地する場合があり、その場合「検査済証がない」の意味も区域内とは異なります(そもそも確認申請の対象外だった建物なら検査済証が存在しないのが通常です)。所在地の判定がこの市の案件の最初の分岐です。

    出典:都市計画とは|高山市(都市計画課)高山市の都市計画について(都市計画区域の指定範囲)|高山市(都市政策部)高山市の面積が知りたい(合併の経緯・面積)|高山市

  3. 高山市消防本部予防課は「消防法令適合通知書交付申請書(旅館・ホテル)」の様式をWord・PDFの2形式で配布しています。営業施設用・届出住宅用の様式や「旅館・ホテルの消防法令等適合状況に関する照会書」も同じページで配布されています。

    県の共通案内は必要書類として消防法令適合通知書を挙げるだけで、様式の入手先までは書いていません。高山市の物件では、旅館・ホテル用の専用様式を市消防本部のページからダウンロードして予防課に申請する、と具体的に案内できます。

    出典:環境営業の手続きについて(旅館業営業許可申請に必要な書類等)|岐阜県(生活衛生課)予防課 通知書交付等事務処理に関する様式|高山市(消防本部予防課)

  4. 高山市美しい景観と潤いのあるまちづくり条例により、市全域で延べ床面積300平方メートル以上または高さ10メートル以上の建築物の建築などが条例手続きの対象で、旅館業などの関係法に基づく許認可申請より前に条例の手続きを済ませる必要があります。あわせて市内全域が高山市景観計画の区域で、奥飛騨温泉郷・高根・城下町・中心商業など14の景観重点区域が指定されています。

    「許認可申請の前に条例手続き」と順序が明記されているため、旅館業許可のスケジュールを保健所の所要日数だけで引くと見込みを誤ります。奥飛騨温泉郷が景観重点区域に含まれるため、市街地から離れた温泉地の計画でも景観手続きの確認を飛ばせません。

    出典:高山市美しい景観と潤いのあるまちづくり条例|高山市高山市景観計画|高山市

  5. 高山市には三町(昭和54年2月3日選定)と下二之町大新町(平成16年7月6日選定)の2つの重要伝統的建造物群保存地区があり、地区内ではすべての建造物について、新築・増改築・除却(解体)・外観の変更などの前に高山市(教育委員会事務局文化財課)への許可申請・届出が必要です。

    古い町並(三町)周辺の町家を宿にする計画では、旅館業(飛騨保健所)・建築(飛騨建築事務所等)とは別に、文化財課への許可申請が先行します。外観に触れる改修はすべて対象になるため、改修計画の自由度と工程の両方に効きます。伝統的建造物の修理・修景には補助制度もあるため、費用計画の材料にもなります。

    出典:伝統的建造物群保存地区(三町・下二之町大新町)|高山市(教育委員会事務局文化財課)

  6. 高山市宿泊税は令和7年(2025年)10月1日から導入されており、税率は1人1泊の宿泊料金1万円未満が100円、1万円以上3万円未満が200円、3万円以上が300円です。小学生以下に相当する年齢の者と修学旅行の児童生徒・引率教職員等は課税免除で、宿泊施設が宿泊料金と併せて徴収します。法定外目的税の新設には令和7年3月21日付けで総務大臣が同意しています。

    県のページには宿泊税の記載がありません。高山市で開業する場合、旅館業許可とは別に、宿泊事業者として徴収・申告の事務が生じます。料金帯によって税額が3段階に分かれるため、料金設定と予約システムの表示を開業前に整えておく必要があります。

    出典:宿泊される皆さまへ(宿泊税の概要)|高山市岐阜県高山市「宿泊税」の新設(令和7年3月21日 総務大臣同意)|総務省

高山市の物件で次に確認すること

  1. 物件の所在地が高山市内であることを確認し、旅館業=飛騨保健所、建築=飛騨建築事務所(小規模は市建築住宅課)、消防=高山市消防本部(詳しくは上の窓口表)と、3つの窓口を分けて考える。
  2. 物件が合併前のどの町村(旧高山市・丹生川・清見・荘川・宮・久々野・朝日・高根・国府・上宝)にあるかを確認し、都市計画区域の内外・用途地域・景観重点区域・伝建地区への該当を市の都市計画図等で確認する。
  3. 用途変更する部分の床面積の合計が200平方メートルを超えるかを確認する(超える場合は都市計画区域の外でも建築確認申請が必要になる)。
  4. 検査済証が見つからない場合、建築部局(飛騨建築事務所または市建築住宅課)に台帳の記録が残っているかを照会する。
  5. 旅館・ホテルの建築に当たる場合、旅館営業許可申請書等の提出の60日前までに出す旅館等建築申請を逆算して準備する(隣接土地所有者の同意書を含む)。
  6. 景観条例の手続き(関係法の許認可申請より前に完了が必要)と、宿泊税の徴収・申告体制を確認する。

高山市についてよくある質問

高山市で旅館業の許可はどこに申請しますか。市役所ですか。

市役所ではなく、岐阜県飛騨保健所(生活衛生課・高山市上岡本町7-468 飛騨総合庁舎内)です。所管区域は高山市・飛騨市・下呂市・白川村の3市1村です。高山市自身も市の民泊ページで、旅館業法の許可・住宅宿泊事業法の届出の窓口が飛騨保健所生活衛生課であることを案内しています。

検査済証がない古民家でも高山市で旅館業の許可は取れますか。

高山市の物件に適用される岐阜県の共通案内は、添付書類の13番に「建築基準法検査済証の写し」を挙げ、注意事項欄は「原則添付が必要」としています。検査済証がない場合の代わりの書類は、このページには書かれていません。記載がないことは、認められないことも認められることも意味しないため、物件の状況を整理したうえで飛騨保健所にご相談ください。なお、住宅等の用途変更にともなう適合確認の書類(用途変更に係る確認済証や建築士による証明書)は用途変更後の適合を確認するためのもので、検査済証の代わりではありません。

奥飛騨温泉郷や旧町村部の物件でも建築確認は必要ですか。

高山市の都市計画区域は行政区域の約9パーセントで、荘川・朝日・高根・上宝など旧町村部の多くは都市計画区域として掲載されていません。ただし旅館・ホテルは建築基準法上の特殊建築物のため、用途変更する部分の床面積の合計が200平方メートルを超える場合は、都市計画区域の外であっても建築確認申請が必要になります。また奥飛騨温泉郷は高山市景観計画の景観重点区域に含まれるため、景観手続きの確認も別途必要です。物件ごとの当てはめは飛騨建築事務所と市の窓口でご確認ください。

高山の古い町並の町家を宿にできますか。

三町・下二之町大新町の重要伝統的建造物群保存地区内では、すべての建造物について、新築・増改築・除却(解体)・外観の変更などの前に高山市(教育委員会事務局文化財課)への許可申請・届出が必要で、工事は条例と各地区の保存計画の基準に基づく必要があります。旅館業許可(飛騨保健所)や建築確認とは別の手続きで、実務上はこちらが先行します。伝統的建造物の修理・修景には事業費の一部を補助する制度もあります。

公式資料・確認日

岐阜県内の他の市町村

同じ岐阜県でも、旅館業と建築の窓口・上乗せ規制・都市計画区域の扱いは市町村ごとに異なります。 物件の所在地が異なる場合は、その市町村のページをご覧ください。

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免責事項
本ページは一般的な情報提供を目的とするものであり、個別物件について法的・技術的な判断を保証するものではありません。必要な書類や手続きは、自治体、建物の状況、用途、面積、改修履歴などにより異なります。実際の申請にあたっては、所管行政庁および建築士などの専門家へご確認ください。