別府市で検査済証がない場合の旅館業許可
別府市の物件は、旅館業許可が大分県東部保健所(許可権者は大分県知事)、建築基準法の窓口が別府市都市計画課建築指導係、消防が別府市消防本部と、県と市に窓口が分かれます。検査済証など添付書類の準備の基準は大分県の営業許可申請の手引きで、東部保健所独自の必要書類一覧は公開されていません。建築物の用途変更が必要な場合は、用途変更する床面積の合計が200㎡以下なら建築士による証明書、200㎡を超えるなら用途変更に係る確認済証という県の区分がそのまま適用されます。検査済証が見つからない場合の建築確認の記録照会は市役所内で完結し、都市計画課建築指導係が建築確認申請概要書の閲覧(昭和46年以降)と建築確認済・完了検査済などの台帳記載事項証明を扱っていますが、この証明が旅館業の申請書類として受理されるかは東部保健所への確認が必要です。さらに別府市には、鉄輪・明礬の景観形成重点地区の30日前届出、重要文化的景観の現状変更届出、高さ15mを超える建築物の環境保全条例手続き、最高500円の入湯税超過課税など、市独自の規制が重なります。
本ページは、別府市の物件について公開資料から確認できた範囲の整理です。 大分県全体の扱いは大分県のページにまとめています。 個別物件の扱いは物件の状態や窓口の判断によって異なります。最新の要件は必ず管轄の窓口でご確認ください。
別府市の窓口は3つに分かれます
旅館業・建築・消防はそれぞれ別の窓口が所管します。ここを取り違えると、書類を持っていない窓口に通うことになります。
| 旅館業の許可 | 大分県東部保健所 独自の必要書類は公開されていません 別府市は保健所設置市ではないため、許可権者は大分県知事です。東部保健所独自の必要書類一覧は公開されておらず、準備の基準は大分県の営業許可申請の手引き(適用範囲は大分県内(大分市を除く))になります。手引きは添付書類7に建築基準法に基づく検査済証の写し、添付書類8に消防署長からの消防法令適合通知書を掲げています。東部保健所の庁舎は別府市内にあります。検査済証が必要な建物で紛失している場合の取扱いは公開資料では確認できないため、東部保健所への相談が必要です。 |
|---|---|
| 建築(確認済証・検査済証・台帳) | 別府市(都市計画課建築指導係) 旅館業=県(東部保健所)、建築=市というねじれがあります。大分県の定期報告の案内は、県土木事務所への提出先一覧に別府市を含めず、市町村(特定行政庁)へ提出するよう案内しており、別府市は建築基準法の事務を市が自ら所管しています。県の手引きが検査済証の問い合わせ先として挙げる「市町村又は土木事務所の建築基準法所管課」は、別府市の物件では市都市計画課建築指導係が該当します。用途変更の確認申請も市の建築指導係の窓口です。 |
| 消防法令適合通知書 | 別府市消防本部 市の申請書ダウンロードページに消防法令適合通知書交付申請書の様式がPDF・Excel・記入例つきで公開されており、住宅宿泊事業法用と興行場・公衆浴場等用の様式も並んで配布されています。市の案内「土地・建物調査および計画中の方へ」では、消防法関係の担当は消防本部予防課とされています。温泉旅館で大浴場を宿泊者以外の日帰り利用に開く場合には、興行場、公衆浴場等適合通知書交付申請書が関わります。 |
別府市で特徴的なのは、旅館業が県(東部保健所)、建築と消防が市(都市計画課建築指導係・消防本部)という県と市の分担です。東部保健所の庁舎は別府市内にあるため所在地では区別しにくいものの、旅館業許可の書類は県の手引きが基準、建築確認の記録照会や定期報告は市役所が窓口という整理になります。
都市計画区域の内外:一部区域外
この市町村には都市計画区域の内と外の両方があります。同じ市町村内でも、物件の所在地によって建築確認申請の要否が変わります。
区域区分:線引きあり(市街化区域・市街化調整区域の区域区分がある。市の景観計画の地域区分が市街化区域・市街化調整区域・都市計画区域外のそれぞれに対応する形で定められており、市域の一部は都市計画区域外)
市街化調整区域では都市計画法第43条の許可が市の調査案内の届出項目に挙げられており、物件がどの区域かで建築確認の要否や許可の道筋が変わるため、最初に市都市計画課での区域確認が必要です。別府市の都市計画図の基図は「別府国際観光温泉文化都市建設計画図」という名称で、古い確認済証や台帳でこの表記を見ても別府市の都市計画を指します。公開されている参照用の都市計画図は内容を証明するものではないため、確定的な区域・用途地域は市都市計画課での確認が前提です(用途地域等証明は1部300円)。なお旅館・ホテルは建築基準法上の特殊建築物です。用途変更する部分の床面積の合計が200㎡を超える場合は、都市計画区域の外であっても建築確認申請が必要になります。「区域外だから建築確認は要らない」と一律に読まないでください。
別府市の上乗せ規制・地域の手続き
旅館業法とは別に確認が必要になる、立地と運営に効く地域の手続きです。市町村独自のものだけでなく、国・県の制度を含む場合があります。日程に直結するものがあります。
景観形成重点地区(鉄輪温泉地区・明礬温泉地区)の景観法届出
景観法に基づく市の景観計画の重点地区で、鉄輪温泉地区は平成21年3月、明礬温泉地区は平成24年8月に指定されています。両地区では規模によらずすべての建築物の新築等が届出対象で、新築だけでなく一定規模以上の増築、外観を変更する修繕・模様替え、色彩の変更も含まれます。届出は事前相談の後、工事着手の30日前までに、建築確認申請に先立って行うとされています。
日程への影響:温泉旅館の外装改修でも30日前届出が日程に乗ります。建築確認申請の前段に積み上がるため、承継後の改修計画では最初に組み込む必要があります。
重要文化的景観「別府の湯けむり・温泉地景観」の現状変更届出
文化財保護法(国の制度)に基づき平成24年9月19日に選定された重要文化的景観です。鉄輪・明礬のエリアでは共同浴場・旅館・湯の花小屋・別府石の石垣・地獄釜などが「重要な構成要素」とされ、その現状を変更し保存に影響を及ぼすような行為には、着手の30日前までに文化庁長官への届出が必要です。修理等には市の補助金制度が使える場合があります。
日程への影響:景観法の届出とは別枠の手続きです。鉄輪・明礬の旅館の改修では、文化財側の届出の要否を市の文化財担当(社会教育課)で確認する工程が加わります。
別府市環境保全条例による指定建築物の手続き
高さ15mを超える建築物・工作物は指定建築物・指定工作物にあたり、建築確認申請の前に「指定建築物建築計画書」等の市への申請と近隣関係者への計画説明会等が義務づけられています。申請前の事前相談も必須とされています。駐車場の技術基準(共同住宅以外は床面積250㎡以内ごとに1台)も定められています。
日程への影響:中層以上の温泉ホテルの増改築では、建築確認の前にこの手続きが挟まるため日程への影響が大きい規制です。
入湯税の超過課税(宿泊料金による段階税率)
入湯税は地方税法に基づく市町村の目的税で、標準税率は1人1日150円ですが、別府市は宿泊料金による段階税率の超過課税を平成31年4月1日から実施しており、宿泊料金50,001円以上は1人1日500円です。特例期間は令和6年4月1日から5年間延長され、課税期間は令和11年3月31日までとされています。旅館・ホテル等の経営者が特別徴収義務者になります。
日程への影響:開業時は経営開始日の前日までに入湯税経営申告書の提出が必要で、屋号変更・承継に伴う変更・廃業時にも届出が要ります。宿泊料金設定と収支計画に直結します。
温泉法の手続き(窓口は県東部保健所)
温泉法は国の法律で、別府市内の温泉掘削許可・増掘又は動力装置許可・温泉利用許可などの窓口は、旅館業許可と同じ大分県東部保健所です。掘削・増掘・動力の許可は大分県環境審議会温泉部会(2か月に1度、奇数月開催)の審議を経る建て付けです。令和4年4月1日施行の改正内規により、別府市内に温泉の特別保護地域2か所が新たに指定されています。
日程への影響:源泉付き旅館の承継では、旅館業許可と並行して温泉利用許可まわりの手続きの要否確認が必要です。新規掘削を伴う計画は特別保護地域の該否確認が前提になります。
風致地区内の建築等の許可
別府市内には山の手・実相寺荘園・鶴見・十文字原・野田の風致地区があり、風致地区内における建築等は「風致地区内における建築等の規制に関する条例」に基づく許可の対象です。市の調査案内には、このほか電波伝搬障害防止区域(地表高31mを超える新築)なども調査項目として並んでいます。
日程への影響:物件が風致地区に該当する場合、建築・改修に許可手続きが加わります。所在地ごとの重ね合わせ確認が必要です。
大分県のページには書いていない、別府市固有の点
- 別府市は建築基準法の事務を市が自ら所管しており、大分県の定期報告の案内でも県土木事務所への提出先一覧に含まれず、市町村(特定行政庁)へ提出する側に位置づけられています。県の営業許可申請の手引きが検査済証の問い合わせ先として挙げる「市町村又は土木事務所の建築基準法所管課」は、別府市の物件では別府市都市計画課建築指導係が該当します。
大分県のページは県の手引きの書類の話が中心で、建築側の照会先が県土木事務所か市かは物件の所在地で変わります。別府市では検査済証や建築確認の記録の照会先が市役所になるため、調査の最初の一歩が県ではなく市に向かいます。
- 別府市都市計画課建築指導係は、建築確認申請概要書の閲覧(昭和46年以降)と、建築確認済・完了検査済・道路位置指定などの台帳記載事項証明を取扱業務として案内しており、建築確認の記録照会は市役所内で完結します。手数料の額は公開資料では確認できませんでした。
検査済証が見つからない場合、完了検査済の記録が台帳に残っているかがその後の道筋を左右します。閲覧できる概要書が昭和46年以降の建築確認分とされている点は、古い温泉旅館の調査で効いてきます。ただしこの証明が検査済証の代わりに旅館業の申請書類として受理されるかは出典に記載がなく、東部保健所への確認が必要です。
- 別府市は独自の別府市建築基準法施行細則を持ち、旅館・ホテルを含む特殊建築物の定期報告を市(都市計画課建築指導係)が受け付けています。旅館又はホテルは3階以上の階に100㎡超などの規模で対象となり、次の報告年度は令和9年度です。
営業中の旅館を承継する場合、旅館業の営業許可とは別にこの定期報告の履歴確認が必要です。報告が滞っている建物は、承継後に是正の負担ごと引き継ぐことになります。
- 鉄輪温泉地区(平成21年3月指定)と明礬温泉地区(平成24年8月指定)の景観形成重点地区では、規模によらずすべての建築物の新築等が景観法の届出対象で、届出は事前相談の後、工事着手の30日前までに建築確認申請に先立って行うとされています。一定規模以上の増築、外観を変更する修繕・模様替え、色彩の変更も対象に含まれます。
温泉旅館の外装改修でも30日前届出が日程に乗ります。建築確認申請の前段に積み上がるため、承継後の改修計画では最初に組み込む必要があります。
- 平成24年9月19日に「別府の湯けむり・温泉地景観」が国の重要文化的景観に選定されており、鉄輪・明礬のエリアでは共同浴場・旅館・湯の花小屋・別府石の石垣・地獄釜などが「重要な構成要素」とされています。その現状を変更し保存に影響を及ぼすような行為には、着手の30日前までに文化庁長官への届出が必要です。
旅館そのものが重要な構成要素に含まれ得るのが別府の特徴です。鉄輪・明礬の旅館を承継して改修する場合は、景観法の届出とは別に文化財側の届出の要否を市の文化財担当(社会教育課)で確認する必要があります。修理等には市の補助金制度が使える場合があります。
- 高さ15mを超える建築物・工作物は別府市環境保全条例の指定建築物・指定工作物にあたり、建築確認申請の前に「指定建築物建築計画書」等の市への申請と近隣関係者への計画説明会等が義務づけられています。申請前の事前相談も必須とされています。
中層以上の温泉ホテルの増改築では、建築確認の前にこの手続きが挟まるため日程への影響が大きい規制です。駐車場の技術基準(共同住宅以外は床面積250㎡以内ごとに1台)も定められています。
- 別府市は入湯税に宿泊料金による段階税率の超過課税を平成31年4月1日から実施しており、宿泊料金50,001円以上は1人1日500円です。特例期間は令和6年4月1日から5年間延長され、課税期間は令和11年3月31日までとされています。
標準税率150円の自治体が多い中で最高500円の段階税率は別府市固有の負担で、宿泊料金設定と収支計画に直結します。旅館・ホテル等の経営者が特別徴収義務者となり、開業時は経営開始日の前日までに入湯税経営申告書の提出が必要です。承継・屋号変更・廃業時にも届出が要ります。
- 別府市内の温泉法の手続き(温泉掘削許可・増掘又は動力装置許可・温泉利用許可など)の窓口は、旅館業許可と同じ大分県東部保健所です。令和4年4月1日施行の改正内規により、別府市内に温泉の特別保護地域2か所が新たに指定されています。
源泉付き旅館の承継では、旅館業許可と並行して温泉利用許可まわりの手続きの要否確認が必要です。掘削・増掘・動力の許可は大分県環境審議会温泉部会(2か月に1度、奇数月開催)の審議を経る建て付けで、新規掘削を伴う計画は特別保護地域の該否確認が前提になります。
- 別府市消防本部は、消防法令適合通知書交付申請書の様式をPDF・Excel・記入例つきで公開しており、住宅宿泊事業法用に加えて興行場・公衆浴場等適合通知書交付申請書まで様式化しています。
温泉旅館で大浴場を宿泊者以外の日帰り利用に開く場合、旅館業とは別に公衆浴場側の適合通知が関わります。その申請様式まで市のページで揃う点は、県のページからは分からない別府市の実務情報です。
別府市の物件で次に確認すること
- 物件の所在地が別府市内であることを確認し、旅館業=大分県東部保健所、建築=別府市都市計画課建築指導係、消防=別府市消防本部(詳しくは上の窓口表)と、3つの窓口を分けて考える。
- 物件の区域(市街化区域・市街化調整区域・都市計画区域外)と用途地域を市都市計画課で確認する(市街化調整区域では都市計画法第43条の許可が関わる。公的な証明が必要なら用途地域等証明・1部300円)。
- 用途変更する部分の床面積の合計が200㎡を超えるかを確認する(200㎡以下なら建築士による証明書、200㎡を超えるなら用途変更に係る確認済証。都市計画区域の外でも200㎡超の用途変更は建築確認申請が必要になる)。
- 検査済証が見つからない場合、市都市計画課建築指導係で建築確認申請概要書の閲覧(昭和46年以降)と建築確認済・完了検査済などの台帳記載事項証明の記録を照会する。あわせて、この証明が旅館業の申請書類として受理されるかを東部保健所に確認する。
- 物件が鉄輪温泉地区・明礬温泉地区の景観形成重点地区に該当するかを確認する(該当すればすべての建築物の新築等が景観法の届出対象で、工事着手の30日前までに建築確認申請に先立つ届出。重要文化的景観の重要な構成要素にあたるかは市の社会教育課で確認)。
- 高さ15mを超える増改築の計画では、建築確認申請の前に別府市環境保全条例の指定建築物の手続き(事前相談・指定建築物建築計画書・近隣説明会)を日程に織り込む。
- 営業中の旅館を承継する場合、旅館又はホテルの定期報告(次の報告年度は令和9年度)の履歴を市都市計画課建築指導係で確認する。
- 入湯税について、経営開始日の前日までに入湯税経営申告書を提出し、超過課税(宿泊料金50,001円以上は1人1日500円)を織り込んだ料金設定と収支計画を立てる。承継では変更の届出も確認する。
- 源泉付き物件では、温泉利用許可など温泉法の手続きの要否を東部保健所に確認する。
別府市についてよくある質問
別府市で旅館業の許可申請はどこに出しますか。
窓口は大分県東部保健所です。管轄は別府市・杵築市・日出町で、庁舎は別府市内にあります。別府市は保健所設置市ではないため、許可権者は大分県知事です。添付書類の準備は大分県の営業許可申請の手引きが基準で、添付書類7に建築基準法に基づく検査済証の写し、添付書類8に消防署長からの消防法令適合通知書が掲げられています。
別府市の物件で検査済証が見つかりません。記録はどこで調べられますか。
別府市都市計画課建築指導係が、建築確認申請概要書の閲覧(昭和46年以降)と、建築確認済・完了検査済・道路位置指定などの台帳記載事項証明を取り扱っています。台帳記載事項証明の対象には完了検査済が挙げられていますが、個別の建物で記録が残っているかは照会が必要です。手数料の額は公開資料では確認できませんでした。またこの証明が検査済証の代わりに旅館業の申請書類として受理されるかは公開資料に記載がないため、東部保健所への確認が必要です。
住宅を旅館に用途変更する場合、どのような建築書類が必要ですか。
別府市にも大分県の手引きの区分がそのまま適用されます。用途変更する床面積の合計が200㎡以下の場合は建築基準関係規定に適合している旨の建築士による証明書、200㎡を超える場合は用途変更に係る確認済証です。県は建築士による証明書(建築基準適合証明書)のWord参考様式を配布しています。別府市内の用途変更の確認申請は市都市計画課建築指導係の窓口です。いずれも用途変更後の適合確認のための書類で、検査済証の代わりではありません。
鉄輪温泉や明礬温泉の旅館を改修するときの注意点はありますか。
鉄輪温泉地区・明礬温泉地区の景観形成重点地区では、規模によらずすべての建築物の新築等が景観法の届出対象で、事前相談の後、工事着手の30日前までに建築確認申請に先立って届出が必要です。外観を変更する修繕・模様替えや色彩の変更も対象に含まれます。さらに国の重要文化的景観「別府の湯けむり・温泉地景観」の重要な構成要素(共同浴場・旅館・湯の花小屋など)にあたる場合は、現状変更の着手30日前までに文化庁長官への届出が必要で、要否は市の社会教育課での確認になります。
公式資料・確認日
大分県内の他の市町村
同じ大分県でも、旅館業と建築の窓口・上乗せ規制・都市計画区域の扱いは市町村ごとに異なります。 物件の所在地が異なる場合は、その市町村のページをご覧ください。
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免責事項
本ページは一般的な情報提供を目的とするものであり、個別物件について法的・技術的な判断を保証するものではありません。必要な書類や手続きは、自治体、建物の状況、用途、面積、改修履歴などにより異なります。実際の申請にあたっては、所管行政庁および建築士などの専門家へご確認ください。