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豊岡市で検査済証がない場合の旅館業許可

豊岡市の物件で検査済証が見つからない場合も、豊岡土木事務所で建築計画概要書(昭和46年1月以降分)の写しの交付を受け、建築確認の履歴からたどる道があります。旅館業の相談窓口は兵庫県の豊岡健康福祉事務所(食品薬務衛生課)、建築確認の提出先は豊岡土木事務所まちづくり建築課または民間の指定確認検査機関で、豊岡市は特定行政庁ではありません。市内全域が非線引きの都市計画区域で、防火地域・準防火地域の指定はありません(用途地域内は建築基準法第22条区域)。城崎温泉の木造3階建て旅館のような歴史的木造建築物には、市の条例で建築基準法第3条第1項第3号の適用除外を受けられる仕組みがあり、事前の相談先は市建築住宅課です。ただしこの適用除外は建築基準法への適合を証明する制度ではなく、検査済証の代わりになるものでもありません(法の適用自体を外す仕組みです)。城崎温泉景観形成重点地区では規模にかかわらず景観の届出が必要で、事前協議と届出の二段階で少なくとも約60日を手続に見込みます。

本ページは、豊岡市の物件について公開資料から確認できた範囲の整理です。 兵庫県全体の扱いは兵庫県のページにまとめています。 個別物件の扱いは物件の状態や窓口の判断によって異なります。最新の要件は必ず管轄の窓口でご確認ください。

豊岡市の窓口は3つに分かれます

旅館業・建築・消防はそれぞれ別の窓口が所管します。ここを取り違えると、書類を持っていない窓口に通うことになります。

旅館業=兵庫県(豊岡健康福祉事務所)、建築=兵庫県(豊岡土木事務所)で県と市のねじれは無く、両窓口は同じ豊岡総合庁舎に入っています。一方で、景観の届出・歴史的建築物条例(建築住宅課)・都市計画図の確認(都市整備課)・入湯税は豊岡市、消防は豊岡市消防本部の所管で、上乗せの制度は市側に集まっています。

都市計画区域の内外:区域内

都市計画区域の内側なので、建築確認申請を要する建築物であれば確認申請の記録が残っているはずの建物です。ただし完了検査を受けておらず、検査済証がはじめから交付されていない場合も珍しくありません。見つからない場合は、交付されたが紛失したのか、そもそも交付されていないのかを切り分けることになります。

区域区分:非線引き(但馬県民局管内の都市計画区域はすべて非線引き都市計画区域で、市街化区域・市街化調整区域はありません。準都市計画区域もありません)

豊岡市は市内全域が都市計画区域に指定されています。用途地域は市内の一部(豊岡地域・城崎地域・日高地域のそれぞれ一部)にとどまり、防火地域・準防火地域の指定はありません(用途地域内は建築基準法第22条の適用区域です)。また市内全域が多雪区域とされ、地域ごとに垂直積雪量の指定値が定められています。

出典:建築基準法に基づく形態制限・防火地域・積雪量・指定道路(道路判定)都市計画区域ほか各種区域指定について

豊岡市の上乗せ規制・地域の手続き

旅館業法とは別に確認が必要になる、立地と運営に効く地域の手続きです。市町村独自のものだけでなく、国・県の制度を含む場合があります。日程に直結するものがあります。

豊岡市城崎温泉地区における歴史的建築物の保存及び活用に関する条例(平成29年3月29日条例第8号/令和3年12月27日条例第42号改正)

城崎温泉景観形成重点地区内の木造建築物のうち、登録された有形文化財(国・県)・景観重要建造物・市長が指定したものが対象です。「豊岡市認定歴史的建築物の安全性確保等に関する指針」(2020年4月改訂)に則した保存活用計画を作成して市の認定を受けると、市長が特定行政庁へ建築基準法第3条第1項第3号の指定を申し出て、同法の適用除外につながる仕組みです。認定には敷地に所有権・借地権を持つ他の権利者の事前同意が必要で、可否は豊岡市歴史的建築物保存活用専門委員会への諮問を経て判断されます。適用を希望する場合は事前に市建築住宅課への相談が案内されています。

日程への影響:保存活用計画の作成・権利者の事前同意・専門委員会への諮問という工程が改修着手前に積み上がります。木造3階建て旅館のように現行基準への適合が難しい建物では、この条例を使うかどうかで計画全体の組み立てが変わるため、最初に建築住宅課で方向を決める必要があります。

対象:城崎温泉景観形成重点地区内の木造建築物のうち、登録有形文化財・景観重要建造物・市長が指定したもの

豊岡市景観条例に基づく行為の届出(城崎温泉景観形成重点地区)

城崎温泉景観形成重点地区では、建築物の建築等の行為は規模にかかわらず届出が必要です。手続は二段階で、行為の事前協議書を「行為の届出」の30日前までに、行為の届出書を行為着手の30日前までに提出します。届出が必要な重点地区は出石城下町・城崎温泉・江原駅東の3地区で、景観基準は地区ごとに定められ、城崎温泉景観形成重点地区の景観ガイドラインと各様式が市ページで公開されています。

日程への影響:二段階の提出期限がいずれも「30日前まで」という下限で定められているため、着工から逆算して少なくとも約60日を手続に見込む必要があります。旅館業許可の日程とは別軸で、建築工事の前段に乗ります。

対象:城崎温泉景観形成重点地区内での建築物の建築等の行為(規模不問)

ホテル・旅館に対する表示制度(豊岡市消防本部)

豊岡市内のホテル・旅館で、地階を除く階数が3以上かつ収容人員が30名以上の建物が対象です。審査では消防法令の基準に加えて、建築基準法の基準(構造・防火区画・階段・避難施設等)への適合も確認されます。申請先は豊岡市消防本部予防課で、表示マーク交付済みのホテル・旅館の一覧(交付日・有効期間つき)も公開されています。

日程への影響:表示マークの交付審査には建築基準法の基準への適合確認が含まれるため、検査済証等の建築書類が整っていない建物では、建築側の適合状況の整理がこの制度の前提にもなります。

対象:地階を除く階数3以上かつ収容人員30名以上のホテル・旅館

入湯税(特別徴収)

鉱泉浴場の経営者が特別徴収義務者となり、入湯客から1人1日150円(修学旅行等は50円)を徴収し、毎月分を翌月20日までに市へ申告・納入します。経営開始前には経営開始申告書の提出が必要です。12歳未満の者、共同浴場・一般公衆浴場の入湯者、利用料金1,000円以下(消費税含む)の施設の日帰り客は課税免除です。

日程への影響:旅館業許可とは別に、開業前に経営開始申告書の提出が必要で、開業後は毎月の申告・納入が発生します。城崎温泉で入湯できる施設を営む場合は、料金設定と経理体制にこの徴収事務を織り込んでおく必要があります。

対象:鉱泉浴場を経営する施設(城崎温泉の旅館で温泉を提供する場合を含む)

兵庫県のページには書いていない、豊岡市固有の点

  1. 豊岡市(城崎温泉を含む)の旅館業の相談窓口は、兵庫県の豊岡健康福祉事務所食品薬務衛生課である(担当区域は豊岡市、美方郡)。同課は生活衛生と温泉の両方を所掌し、同事務所のある兵庫県豊岡総合庁舎(豊岡市幸町7-11)には建築確認を扱う豊岡土木事務所まちづくり建築課も入っている。

    城崎温泉の旅館は旅館業・温泉利用・建築の3つの確認が要るが、県側の窓口は1つの庁舎でまとめて回れる。兵庫県の県ページは県所管域の具体的な窓口名まで書いていないため、豊岡市の担当窓口はこのページで補足している。

    出典:旅館業に関する相談窓口一覧(PDF)但馬県民局 豊岡健康福祉事務所(組織・分掌事務・所在地)(但馬地域)建築計画概要書等の「閲覧」及び「写しの交付」について

  2. 豊岡市は特定行政庁ではなく、建築基準法の所管は兵庫県である。豊岡市内の物件の確認申請は但馬県民局豊岡土木事務所まちづくり建築課または民間の指定確認検査機関に提出し、個別の計画内容の相談も確認申請の提出先と行う運用である。

    「建築のことは市役所の建築課へ」という一般則が通らない。検査済証や建築確認の履歴に関する照会先は市ではなく県の土木事務所(または民間機関)になる。市の建築規制ページも、市に掲載のない項目は兵庫県(特定行政庁)のページで確認するよう案内している。

    出典:建築基準法に基づく形態制限・防火地域・積雪量・指定道路(道路判定)豊岡土木事務所まちづくり建築課(確認申請の提出先・相談運用)

  3. 但馬地域(豊岡市を含む)では令和4年4月1日から、建築計画概要書の「閲覧」に加えて「写しの交付」を豊岡土木事務所まちづくり建築課で受けられる。写しの交付は1物件につき400円分の兵庫県収入証紙が必要で、処分等概要書はさらに400円が必要。保管されている概要書は昭和46年1月以降のものに限られる。

    検査済証が見つからない物件で、建築確認の履歴を公的資料からたどる第一手になる。窓口での物件特定には確認済証・検査済証のほか、登記事項証明書、敷地の地名地番、建築当時の建築主の氏名、住宅地図の写し等が参考資料として例示されている。昭和46年より前に建てられた建物は概要書自体が存在しない可能性があり、その場合は他の資料で建築時期や規模を立証する組み立てが必要になる。

    出典:(但馬地域)建築計画概要書等の「閲覧」及び「写しの交付」について

  4. 豊岡市は市内全域が非線引きの都市計画区域で、市街化調整区域はない。防火地域・準防火地域の指定もなく、用途地域内は建築基準法第22条の適用区域である。市内全域が多雪区域とされ、地域ごとに垂直積雪量の指定値が定められている。

    城崎温泉の木造3階建て旅館の改修でも、防火地域・準防火地域を前提とした規制は掛からない一方、22条区域の屋根等の基準は適用される。市街化調整区域の立地規制を検討する必要はないが、構造の検討では多雪区域としての垂直積雪量の確認が必要になる。

    出典:建築基準法に基づく形態制限・防火地域・積雪量・指定道路(道路判定)都市計画区域ほか各種区域指定について

  5. 城崎温泉地区の歴史的な木造建築物(城崎温泉景観形成重点地区内の登録有形文化財・景観重要建造物等)は、市条例(平成29年条例第8号)に基づく認定を受けると、市長が特定行政庁へ申し出て建築基準法第3条第1項第3号による同法の適用除外を受けられる。認定には指針に則した保存活用計画の策定、敷地権利者の事前同意、専門委員会への諮問が必要で、事前の相談先は市建築住宅課である。

    現行の建築基準法にそのまま適合させることが難しい木造3階建て旅館でも、法の適用除外という別ルートが条例として制度化されている。検査済証の有無を論じる前に、この条例の対象になり得る建物かどうかで計画の組み立てが根本から変わる。ただしこの適用除外は建築基準法への適合を証明する制度ではなく、検査済証の代わりになるものでもない(法の適用自体を外す仕組みである)。

    出典:豊岡市城崎温泉地区における歴史的建築物の保存及び活用に関する条例(制度案内・指針)豊岡市城崎温泉地区における歴史的建築物の保存及び活用に関する条例(豊岡市例規集・条文)

  6. 城崎温泉景観形成重点地区では、建築物の建築等の行為は規模にかかわらず景観の届出が必要で、行為の事前協議書は「行為の届出」の30日前まで、行為の届出書は行為着手の30日前までに提出する二段階の手続である。

    各期限は下限のため、着工から逆算して少なくとも約60日を手続に見込む必要がある。保健所側の申請日程だけでスケジュールを引くと、この前段の約60日が抜け落ちる。

    出典:景観の届出について(重点地区・事前協議書・届出書・様式)

  7. 豊岡市消防本部は、地階を除く階数3以上かつ収容人員30名以上のホテル・旅館を対象とする表示制度を運用しており、審査では消防法令の基準に加えて建築基準法の基準(構造・防火区画・階段・避難施設等)への適合も確認される。申請先は予防課で、交付済み施設の一覧(交付日・有効期間つき)が公開されている。城崎温泉街には豊岡消防署城崎分署が置かれている。

    消防側の制度でも建築基準法への適合が審査対象になるため、検査済証や建築図書が整っていない建物では、建築側の整理が消防の表示マーク取得にも波及する。交付済み一覧は、既存のホテル・旅館の適合状況を確認できる公開資料としても使える。

    出典:本部・各署所の住所等のご案内ホテル・旅館に対する「表示制度」について

  8. 城崎温泉で旅館を経営する場合、経営者は入湯税の特別徴収義務者として入湯客から1人1日150円(修学旅行等は50円)を徴収し、毎月分を翌月20日までに市へ申告・納入する。経営開始前には経営開始申告書の提出が必要である。

    旅館業許可とは別に、開業前の申告と毎月の徴収・納入事務が発生する。兵庫県の県ページには入湯税の記載がないため、城崎温泉の物件ではこの手続をこのページで補足している。

    出典:入湯税(税率・特別徴収・経営開始申告書・課税免除)

豊岡市の物件で次に確認すること

  1. 物件の所在地が豊岡市内であることを確認し、旅館業=豊岡健康福祉事務所、建築=豊岡土木事務所(兵庫県)、消防=豊岡市消防本部(詳しくは上の窓口表)と、3つの窓口を分けて考える。
  2. 住宅などからの用途変更に当たる場合、用途変更する部分の床面積の合計が200㎡を超えるかを確認する(超える場合は用途変更の確認申請が必要になり、提出先は豊岡土木事務所まちづくり建築課または民間の指定確認検査機関)。
  3. 検査済証が見つからない場合、豊岡土木事務所まちづくり建築課で建築計画概要書(昭和46年1月以降分)の閲覧・写しの交付を照会する。物件特定の参考資料として登記事項証明書や住宅地図の写し等を用意していく。
  4. 物件が城崎温泉景観形成重点地区に該当するかを確認する。該当すれば規模にかかわらず景観の届出(事前協議30日+届出30日の二段階)が必要で、歴史的建築物条例(建築基準法の適用除外)の対象になり得るかも市建築住宅課に相談する。
  5. 用途地域の内外を豊岡都市計画図で確認し、建ぺい率・容積率などの形態制限と垂直積雪量の指定値を市都市整備課・市の公開資料で確認する。
  6. 温泉を提供する場合、入湯税の経営開始申告書の提出時期を市に確認し、温泉利用に関する手続を豊岡健康福祉事務所食品薬務衛生課(温泉も所掌)に確認する。

豊岡市についてよくある質問

城崎温泉の古い旅館を引き継ぎたいのですが、検査済証が見つかりません。どこに相談すればよいですか。

旅館業の相談窓口は兵庫県の豊岡健康福祉事務所(食品薬務衛生課)です。建築確認の履歴は、同じ兵庫県豊岡総合庁舎に入っている豊岡土木事務所まちづくり建築課で、建築計画概要書(昭和46年1月以降分)の閲覧・写しの交付(1物件400円分の兵庫県収入証紙)を受けて確認できます。昭和46年より前の建物は概要書が存在しない可能性があります。

木造3階建ての旅館は今の建築基準法に適合させるのが難しいと聞きました。城崎温泉では改修できないのですか。

豊岡市には、城崎温泉地区の歴史的な木造建築物について建築基準法第3条第1項第3号による適用除外を受けられる条例(平成29年条例第8号)があります。対象は城崎温泉景観形成重点地区内の木造建築物のうち登録有形文化財・景観重要建造物等に限られ、指針に則した保存活用計画の策定、敷地権利者の事前同意、専門委員会への諮問を経て市の認定を受ける必要があります。適用を希望する場合は事前に市建築住宅課に相談してください。

城崎温泉街は防火地域ですか。木造建物の改修に防火の制限はありますか。

豊岡市内には防火地域・準防火地域の指定はありません。ただし用途地域内は建築基準法第22条の適用区域で、屋根等の基準が掛かります。また市内全域が多雪区域とされ、地域ごとに垂直積雪量の指定値が定められているため、構造の検討時に確認が必要です。なお豊岡市消防本部は階数3以上かつ収容人員30名以上のホテル・旅館を対象とする表示制度を運用しており、その審査では建築基準法の基準への適合も確認されます。

城崎温泉で旅館を始めるとき、旅館業許可のほかに市の手続はありますか。

城崎温泉景観形成重点地区内では、規模にかかわらず景観の届出が必要です(行為の事前協議書は届出の30日前まで、行為の届出書は着手の30日前までの二段階)。また温泉の入湯客からは入湯税(1人1日150円、修学旅行等は50円)を特別徴収するため、経営開始前に経営開始申告書を市に提出し、毎月分を翌月20日までに申告・納入します。

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免責事項
本ページは一般的な情報提供を目的とするものであり、個別物件について法的・技術的な判断を保証するものではありません。必要な書類や手続きは、自治体、建物の状況、用途、面積、改修履歴などにより異なります。実際の申請にあたっては、所管行政庁および建築士などの専門家へご確認ください。