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出雲市で検査済証がない場合の旅館業許可

出雲市の物件は、旅館業が島根県出雲保健所、建築が出雲市建築住宅課(市自身が特定行政庁)、消防が出雲市消防本部という3つの窓口の分担になります。島根県土木部建築住宅課が案内する県の建築台帳記載事項証明は県が特定行政庁である区域の制度で、出雲市の区域では市の台帳記載事項証明書(1通300円・交付まで3〜4日程度・即日交付なし・窓口申請のみ)を建築住宅課に照会します。ただし市はこの証明書について、建築物の権利関係や現在の法律への適合を証明するものではないと明記しており、旅館業の許可申請で受理してもらえるかは出雲保健所への確認が別途必要です。出雲保健所は施設の増築・改築・減築・内装のリフォーム等の前に保健所への事前相談と図面確認を求めているため、古民家改修は設計前に図面を持ち込む段取りが安全です。さらに市全域が景観計画区域で、外観に関わる改修は行為着手予定日の30日前までの届出の要否確認が必要になります。

本ページは、出雲市の物件について公開資料から確認できた範囲の整理です。 島根県全体の扱いは島根県のページにまとめています。 個別物件の扱いは物件の状態や窓口の判断によって異なります。最新の要件は必ず管轄の窓口でご確認ください。

出雲市の窓口は3つに分かれます

旅館業・建築・消防はそれぞれ別の窓口が所管します。ここを取り違えると、書類を持っていない窓口に通うことになります。

出雲市は、旅館業=県(出雲保健所)、建築=市(出雲市建築住宅課)、消防=市(出雲市消防本部)という県と市のねじれがあります。検査済証まわりの台帳照会は市、営業許可の必要書類は県の保健所と、相談先が制度ごとに分かれるため、建築住宅課への台帳照会と出雲保健所への事前相談を並行して進める段取りが確実です。

都市計画区域の内外:一部区域外

この市町村には都市計画区域の内と外の両方があります。同じ市町村内でも、物件の所在地によって建築確認申請の要否が変わります。

区域区分:非線引き(出雲市「出雲市都市計画の概要」で、出雲都市計画区域は「区域区分を設けないもの(いわゆる非線引都市計画区域)」とされており、市街化調整区域はありません)

出雲市の都市計画区域は「出雲都市計画区域」(31,435ヘクタール)で、市域には都市計画区域外の部分もあります。用途地域の指定は合計2,521ヘクタールで、市の行政区域の約4%(都市計画区域の約8%)にとどまります。大社門前を含む個々の敷地が用途地域の内かどうかは、出雲市が公開する出雲都市計画図(都市計画情報)または都市計画部局の窓口での確認が必要です。なお旅館・ホテルは建築基準法上の特殊建築物です。用途変更する部分の床面積の合計が200㎡を超える場合は、都市計画区域の外であっても建築確認申請が必要になります。「区域外だから建築確認は要らない」と一律に読まないでください。

出典:出雲市都市計画の概要

出雲市の上乗せ規制・地域の手続き

旅館業法とは別に確認が必要になる、立地と運営に効く地域の手続きです。市町村独自のものだけでなく、国・県の制度を含む場合があります。日程に直結するものがあります。

出雲市景観条例・出雲市景観計画(市全域・行為着手予定日の30日前までの届出)

出雲市は市全域を対象に、景観法に基づく出雲市景観計画と出雲市景観条例(平成20年3月制定、平成26年3月に斐川町合併に伴い改正)を運用しており、届出対象行為は行為着手予定日の30日前までに届出が必要です。景観形成地域を除く一般区域では、建築物の新築・増改築・移転や、外観を変更する修繕・模様替・色彩の変更のうち、都市計画区域内で高さ10メートル超または延床面積200㎡超のものが届出対象です。届出を要しない行為の「専ら自己の居住の用に供する一戸建の住宅」は自己居住に限られるため、古民家を宿泊施設に改修する場合はこの除外を前提にできません。景観形成地域はリバーサイドタウン川西・神西湖周辺・宍道湖沿岸・馬木北町・島根県立大学出雲キャンパスの5地域で、出雲大社門前・神門通りは含まれず、門前には一般区域の届出基準が適用されます。

日程への影響:届出後30日の待ち期間が着工前の工程に直結します。外壁の色彩変更だけでも対象になり得るため、改修の設計段階で届出の要否を出雲市建築住宅課に確認しておくと日程の後戻りを防げます。なお門前では神門通り沿道の修景の取り組みが行われてきた経緯があるため、外観に関わる改修は届出の要否とあわせて建築住宅課に相談するのが確実です。

対象:外観に関わる新築・増改築・修繕・模様替・色彩の変更を伴う計画

建築基準法第22条区域の指定(大社地域は別図による指定)

建築基準法第22条(国の制度)に基づき特定行政庁が指定する区域で、区域内では屋根の構造などに防火上の制限がかかります。出雲市では、出雲地域・平田地域・斐川地域は用途地域の指定のある区域が指定されている一方、大社地域は別図により区域が指定されています。

日程への影響:古民家の屋根や外装の改修計画の仕様に影響します。大社地域は用途地域とは別の線引きで区域が定められているため、物件が区域に入るかどうかは市が公開する大社地域の区域図または出雲市建築住宅課で確認してください。

対象:屋根・外装の改修を伴う計画(大社地域は別図での確認が必要)

出雲市の宿泊税(法定外目的税・検討段階)

出雲市では市独自の宿泊税の導入が検討段階にあります。令和8年(2026)7月2日開催の第5回出雲市新たな観光財源検討委員会で答申書の素案が示され、法定外目的税としての宿泊税の導入が妥当とされました。素案では課税客体は市内に所在する宿泊施設における宿泊行為、納税義務者は宿泊者、徴収方法は宿泊事業者による特別徴収、税率・免税点は隣接自治体と同額程度を基準として設定とされ、導入時期は素案の時点で確定していません。諮問は令和7年(2025)7月30日付です。

日程への影響:制度化されれば宿泊事業者が特別徴収義務者となる見込みで、開業後の徴収・申告の実務と料金設定・収支計画に直結します。答申・条例案の続報は出雲市観光課のページで確認してください。

対象:出雲市内で宿泊事業を開業する事業者(制度化された場合)

島根県のページには書いていない、出雲市固有の点

  1. 出雲市は建築確認台帳・道路位置指定台帳・長期優良住宅台帳・低炭素建築物台帳の4種について、台帳記載事項証明書を平成30年(2018)4月1日から交付しています。手数料は1通300円、交付には3〜4日程度を要して即日交付はできず、窓口申請のみです。市自身が「建築確認済証や検査済証が保存されていない場合、特定行政庁に対し代替となるものを求められることが予想される」場面を想定した制度と説明する一方、これらの証明書は建築物等に関する権利関係や現在の法律への適合を証明するものではないとも明記しています。

    島根県土木部建築住宅課が案内する県の建築台帳記載事項証明は県が特定行政庁である区域の制度で、出雲市の区域では窓口・手数料・所要日数とも別建ての市の制度になります。検査済証を紛失した案件の初動の照会先はここで決まります。ただし台帳に記載がない建物には交付されない場合があり、この証明を旅館業の許可申請で受理してもらえるかは出雲保健所への確認が別途必要です。

    出典:台帳記載事項証明書の交付について(平成30年4月1日~)

  2. 出雲保健所は生活衛生関係営業の案内ページで、施設の増築・改築・減築・内装のリフォーム等を行う場合には、事前に保健所へ相談し、工事が始まる前に図面の確認を行うよう求めています。宿カギの島根県まとめページでは扱っていない、出雲保健所固有の案内です。

    古民家を宿に改修する計画では、着工後に保健所の構造設備基準との食い違いが見つかると手戻りが大きくなります。この案内に沿って着工前(できれば設計前)に出雲保健所へ図面を持ち込む段取りにすると、必要書類の範囲もあわせて早い段階で確認できます。

    出典:理・美容、旅館、公衆浴場、クリーニング、興業場、温泉の経営について

  3. 出雲保健所は旅館業の様式9種(営業許可申請書・変更廃止停止届・許可証再交付申請書・承継承認申請書・別紙構造設備など)を独自の様式集ページで配布していますが、必要書類の一覧や添付書類の案内はページ上になく、旅館業の項に「検査済証」「確認済証」「建築士」「消防法令適合通知書」の語は現れません。出雲保健所が実際に配布する旅館業営業許可申請書(島根県様式第1号・宛名は保健所長)にも「添付書類」の欄自体がなく、「工事の種別」欄には既設・新築・増築・改築と並んで用途変更の選択肢が用意されています。

    宿カギの島根県まとめページで整理した「公開資料に建築関係の書類が現れない」という構図が、出雲保健所の配布物の紙面でもそのまま成り立ちます。記載が見つからないことは、その書類が求められないことを意味しません。様式に用途変更の選択肢がある以上、古民家の用途変更を伴う案件は想定の範囲内であり、必要書類の範囲は出雲保健所への事前相談と、建築側は出雲市建築住宅課への相談で確認する必要があります。

    出典:生活衛生関係営業に関する様式について旅館業営業許可申請書(様式第1号・出雲保健所掲載)

  4. 出雲市は市全域を景観計画区域として、届出対象行為に行為着手予定日の30日前までの届出を求めています。景観形成地域は5地域(リバーサイドタウン川西・神西湖周辺・宍道湖沿岸・馬木北町・島根県立大学出雲キャンパス)で、出雲大社門前・神門通りは含まれず、門前には一般区域の基準(都市計画区域内で高さ10メートル超または延床面積200㎡超の新築・増改築・移転、外観を変更する修繕・模様替、色彩の変更が届出対象)が適用されます。届出を要しない「専ら自己の居住の用に供する一戸建の住宅」の除外は自己居住に限られます。

    宿カギの島根県まとめページには景観の手続きの記載がありません。出雲市では届出後30日の待ち期間が着工前の工程に直結し、外壁の色彩変更だけでも対象になり得ます。古民家を宿泊施設に改修する場合は住宅の除外を前提にできないため、設計段階で届出の要否を出雲市建築住宅課に確認する必要があります。

    出典:出雲市景観計画に基づく届出について【建築住宅課】景観計画区域内での届出対象行為(景観形成地域を除く)景観形成地域一覧(位置図)

  5. 出雲市では法定外目的税としての宿泊税の導入が検討段階にあります。令和8年(2026)7月2日の第5回出雲市新たな観光財源検討委員会で答申書の素案が示され、宿泊税の導入が妥当とされました。素案では課税客体は市内の宿泊施設における宿泊行為、納税義務者は宿泊者、徴収方法は宿泊事業者による特別徴収、税率・免税点は隣接自治体と同額程度を基準として設定とされ、導入時期は素案の時点で確定していません。

    宿カギの島根県まとめページには宿泊税の記載がありません。制度化されれば出雲市内の宿泊事業者が特別徴収義務者となる見込みで、開業後の徴収・申告の体制づくりと収支計画に直結します。開業準備と並行して、答申・条例案の続報を出雲市観光課のページで追う必要があります。

    出典:出雲市新たな観光財源検討委員会答申書(素案)

  6. 建築基準法第22条の区域指定について、出雲市では出雲地域・平田地域・斐川地域は用途地域の指定のある区域が指定されている一方、大社地域は別図により区域が指定されています。22条区域内では屋根の構造などに防火上の制限がかかります。

    大社門前の古民家の屋根や外装の改修計画では、用途地域の内外を調べただけでは22条区域の判定ができません。大社地域は用途地域とは別の線引きのため、市が公開する大社地域の区域図または出雲市建築住宅課での確認が別途必要です。

    出典:建築基準法第22条に基づく区域の指定について

出雲市の物件で次に確認すること

  1. 物件の所在地が出雲市内であることを確認し、旅館業=出雲保健所、建築=出雲市建築住宅課、消防=出雲市消防本部予防課(詳しくは上の窓口表)と、3つの窓口を分けて考える。
  2. 住宅などからの用途変更に当たるか、当たる場合は用途変更する部分の床面積の合計が200㎡を超えるかを確認する(超える場合は都市計画区域の外でも建築確認申請が必要になる)。
  3. 検査済証が見つからない場合、出雲市建築住宅課に台帳の記録が残っているかを照会し、台帳記載事項証明書(1通300円・交付3〜4日程度・即日交付なし・窓口申請のみ)の交付を申請できるかを確認する。あわせてこの証明を旅館業の許可申請で受理してもらえるかを出雲保健所に確認する。
  4. 出雲保健所への事前相談で必要書類の範囲を確認する(様式集に必要書類の一覧はなく、検査済証等の記載が見つからないことは不要という意味ではない)。増築・改築・減築・内装のリフォーム等を行う場合は、工事が始まる前に図面の確認を受ける。
  5. 物件の敷地が用途地域の内か外かを、出雲都市計画図(都市計画情報)または都市計画部局の窓口で確認する。
  6. 景観計画の届出の要否(高さ10メートル超または延床面積200㎡超・外観の修繕・色彩の変更を含む)を出雲市建築住宅課に確認する。届出は行為着手予定日の30日前まで。
  7. 大社地域の物件は、建築基準法第22条区域の別図に入るかどうかを区域図または出雲市建築住宅課で確認する(屋根・外装に防火上の制限)。
  8. 消防法令適合通知書が必要になる場合の手順を出雲市消防本部予防課に確認する。建物の使用を始める際は防火対象物使用開始届出書の提出も視野に入れる。
  9. 宿泊税(検討段階)の答申・条例案の続報を出雲市観光課のページで確認する。

出雲市についてよくある質問

出雲大社の門前で宿を開きたいのですが、旅館業の窓口はどこですか。

島根県出雲保健所(出雲市塩冶町223-1)です。出雲保健所の所管は出雲市のみで、門前の大社町も出雲市内のため出雲保健所の管内になります。県央保健所は大田市・川本町・美郷町・邑南町の所管で、出雲市は含まれません。なお出雲保健所は、施設の増築・改築・減築・内装のリフォーム等を行う場合、事前に保健所へ相談し、工事が始まる前に図面の確認を行うよう求めています。

出雲市の物件で検査済証を紛失しました。どうすればよいですか。

出雲市は規模の限定のない特定行政庁のため、照会先は県ではなく出雲市建築住宅課です。市は建築確認台帳など4種の台帳について台帳記載事項証明書(1通300円・交付3〜4日程度・即日交付なし・窓口申請のみ)を交付しており、確認済証・検査済証が保存されていない場合に代替を求められる場面を想定した制度と説明しています。ただしこの証明書は建築物の権利関係や現在の法律への適合を証明するものではなく、台帳に記載がない建物には交付されない場合があります。旅館業の許可申請で受理してもらえるかは、出雲保健所への確認が別途必要です。

出雲市では旅館業の申請書に検査済証の添付を求められますか。

出雲保健所が配布する旅館業営業許可申請書(島根県様式第1号)には「添付書類」の欄自体がなく、様式集のページにも必要書類の一覧や検査済証・確認済証・建築士・消防法令適合通知書の記載はありません。ただし記載が見つからないことは、その書類が求められないことを意味しません。実際に必要な書類の範囲は出雲保健所への事前相談で確認してください。様式の「工事の種別」欄には用途変更の選択肢があり、古民家の用途変更を伴う場合は出雲保健所と出雲市建築住宅課の双方への相談が必要です。

古民家の外観を改修する場合、旅館業の許可のほかに必要な手続きはありますか。

出雲市は市全域が景観計画区域で、都市計画区域内で高さ10メートル超または延床面積200㎡超の新築・増改築や外観を変更する修繕・色彩の変更は、行為着手予定日の30日前までの届出が必要です。一戸建住宅の除外は自己居住に限られるため、宿泊施設への改修では前提にできません。また大社地域では建築基準法第22条区域が別図で指定されており、区域内では屋根の構造などに防火上の制限がかかります。消防については、建物の使用を始める際に防火対象物使用開始届出書の提出も視野に入ります。いずれも該当の有無を出雲市建築住宅課と消防本部予防課に確認してください。

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免責事項
本ページは一般的な情報提供を目的とするものであり、個別物件について法的・技術的な判断を保証するものではありません。必要な書類や手続きは、自治体、建物の状況、用途、面積、改修履歴などにより異なります。実際の申請にあたっては、所管行政庁および建築士などの専門家へご確認ください。