新宿区の民泊規制見直し|対象・今後の予定・旅館業への移行で確認すること
「新宿区民泊禁止」という報道を見て、保有物件への影響や旅館業への移行を考えている方へ。新宿区は2026年9月8日、住宅宿泊事業と旅館業の双方について、規制を強化する方針を発表しました。 同日の区長説明では、今後パブリックコメントを実施し、条例改正手続きを進めるとしています。
本記事は2026年9月13日時点に参照した公開資料をもとに、現行制度・改正方針・今後確認する事項を分けて整理しています。以下の改正方針は、すでに施行された規定として扱うものではありません。
新宿区の民泊規制:現行ルールと改正方針
ここでいう「民泊」は、主に住宅宿泊事業法に基づく届出施設を指します。旅館業法に基づく許可施設とは手続きが異なるため、まず現在の届出・許可の種類を確認してください。
営業する区域・期間
- 現行: 住居専用地域では月曜正午から金曜正午まで実施を制限。
- 9月8日の改正方針: 住居系用途地域で原則として新設を禁止。
営業日数
- 現行: 法律上の上限は年間180日。区域別の制限にも従います。
- 9月8日の改正方針: 商業系用途地域では年間120日まで。
既存の届出施設
- 現行: 現行制度に基づく運営が必要です。
- 9月8日の改正方針: 施行後2年間の経過措置を設け、既存施設にも適用。
これらは発表された方針です。施行日・対象区域・例外は、条例案と確定した規定で確認してください。
現行の「住居専用地域」と発表の「住居系用途地域」は、同じ範囲として読み替えないでください。物件の用途地域・地区指定と、改正案の対象区域を照合する必要があります。
出典:新宿区の住宅宿泊事業ルール・ルールブック、区長説明の「住宅宿泊事業および旅館業における新たなルールについて」
保有する物件への影響は、所在地と営業形態から確認する
「新宿区にある」という情報だけでは、個別施設への適用は判断できません。次の項目を物件ごとに整理すると、区の案内と照合しやすくなります。
- 所在地・用途地域・地区指定: 住所を特定し、区の都市計画情報で調べる。
- 現在の届出・許可: 住宅宿泊事業か旅館業か、届出日・許可日とともに整理する。
- 新設か既存か: 計画中の物件と、すでに営業している物件を区別する。
- 運営形態: 家主の居住状況、管理者の配置、チェックイン方法を整理する。
- 事業上の予定: 契約・改修・開業など、決まっている日付を記録する。
例外の対象や具体的な適用条件は、今後の条例案・区の案内で確認が必要です。公開資料で条件を読み取れない項目は、管轄窓口に個別に確認してください。
今後の手続きと、経過措置の起点
9月8日の発表は、今後の意見募集と条例改正手続きを示したものです。予定を組む際は、発表日・改正条例の公布日・施行日を区別してください。
- 2026年9月8日:方針発表。 住宅宿泊事業・旅館業のルール見直しを公表。現在の営業形態と、発表された対象の関係を確認します。
- 今後:意見募集・条例改正手続き。 区長説明で今後実施すると案内されています。条例案が出たら、対象区域・例外・施設規模の定義を確認します。
- 施行・経過措置。 住宅宿泊事業には施行後2年間の経過措置を設ける方針です。確定した施行日と、自施設に適用される条件を確認します。
経過措置の「2年間」は、発表日から数えるものではありません。 起点は発表上「施行後」とされています。個別物件の営業継続や投資計画は、確定した規定を確認したうえで判断する必要があります。
旅館業への移行は、旅館業側のルールも確認する
新宿区は同じ発表で、旅館業についても小規模施設の新設制限と、フロント設置・従業員常駐・対面チェックインの義務化方針を示しています。移行計画には、建物だけでなく、人員配置や日々の運営条件も関わります。
会見の質疑応答では、小規模施設の具体的な規模は検討中とし、「おおむね200㎡程度」を想定する説明がありました。確定した面積要件として判断に使う段階ではありません。 対象面積の定義や例外、施行時の取扱いも、条例案などで確認する必要があります。
移行前に確認する5つの項目
- 立地: 計画する旅館業施設を設けられる用途地域・地区か。
- 建築: 現在と計画後の用途、用途変更する部分の床面積の合計、建物の適合状況、必要な手続き。
- 書類: 確認済証・検査済証・確認申請図面、改修履歴など、判断に使える資料。
- 消防・設備: 計画する規模や使い方に応じて必要となる設備・届出・検査。
- 営業・管理: 許可の要件、人員配置、チェックイン、近隣対応などの運営条件。
新宿区の旅館業申請案内も、設置場所の規定や建築・消防などの関係法令への適合と、条例の基準を満たす必要があると説明しています。新宿区・旅館の申請手続き
建築士証明の200㎡と、今回の規制案を分けて考える
用途変更の論点で扱う200㎡は、用途変更する部分の床面積の合計です。建築士による証明は、その用途変更200㎡以下の建築基準関係規定への適合確認に関するものです。今回検討されている小規模施設の規制とは、制度の目的も判断する条件も異なります。
また、12条5項報告は特定行政庁への報告です。建築士証明と12条5項報告を、移行の可否を面積だけで振り分けるものとして扱わず、物件の状況と行政から求められた内容を確認します。
詳しくは、用途変更200㎡以下の考え方、建築士による証明書、12条5項報告をご覧ください。
複数物件は、資料と確認事項を一覧にする
複数の建物を持っている場合は、それぞれの所在地・営業形態・資料の状況を並べてみてください。資料が揃っている物件、資料の取得から始める物件、まず行政への確認が必要な物件で、次に行う作業が異なります。
記録する項目は、次の6つから始められます。
物件名/所在地/現在の営業形態/保有資料/確認したいこと/契約・改修・開業の予定日
宿カギへの相談時も、全棟分の図面を最初から揃える必要はありません。所在地と棟数、現在の状況をお知らせください。建築面で確認できる範囲と、追加で必要になる資料を整理します。
東京の他区にも物件がある場合は、その区の案内を別に確認します。例えば豊島区は、住宅宿泊事業の区域・期間制限を2026年12月16日から行うと案内しています。豊島区・住宅宿泊事業法について
よくある質問
既存の届出施設も確認が必要ですか?
必要です。新宿区は、施行後2年間の経過措置を設けて既存施設にも適用する方針を示しています。具体的な施行日、対象と例外は、条例案・確定した規定・区の案内で確認してください。
家主が同居している施設の扱いはどうなりますか?
家主の居住状況や運営形態は、例外や適用条件を確認するための情報です。本記事の参照資料だけでは個別施設への適用を判断できないため、区の案内と管轄窓口で確認します。
図面や検査済証が手元になくても相談できますか?
お手元の情報でご相談いただけます。資料の取得や現地確認が必要かどうかは、建物の状況によって異なります。初期の資料確認後に、進められる範囲と追加確認事項をご案内します。
宿カギに旅館業許可の申請も依頼できますか?
宿カギは建築部分の書類整理と、提携建築士による確認・証明書などの対応を行います。旅館業許可の申請自体は業務範囲外で、必要に応じて提携行政書士の紹介が可能です。消防や運営体制を含め、各担当との確認が必要です。
参照した一次資料
制度の適用は施設ごとに異なります。契約・改修・申請を進める際は、所在地を管轄する保健所・建築部局・消防などに、計画内容と最新の取扱いを確認してください。