建築士による「工事着手当時の法令に適合していることの証明」(ゲストハウス取扱い)
公開資料に記載のある書類/根拠:自治体の申請手引き
- 位置づけ
- 建築士による証明
- 条件
- 鳥取県内で既存の戸建住宅をゲストハウス・民宿(簡易宿所)へ転用し、県の取扱いの要件をすべて満たす場合に限られます(延べ面積200㎡未満、階数2以下・地階なし、全室(非居室を含む)で火気使用がないこと、第1種・第2種低層住居専用地域/第1種・第2種中高層住居専用地域/工業地域・工業専用地域は対象外 ほか)。要件を満たさない場合はこの取扱いではなく、通常の建築確認申請等の手続きになります。所管は鳥取県内の特定行政庁(県の東部建築住宅事務所、中部・西部の各総合事務所建築住宅課、鳥取市・倉吉市・米子市・境港市の建築担当課)で、旅館業の許可窓口とは別です。
- 取得・作成
- 建築士(提出先・確認先は特定行政庁)
- 注意
- 県の住宅政策課が公開する「ゲストハウスの取扱いに係る質疑応答」のQ9が、検査済証の履歴がない建物や無断で増築した建物について「検査を受けていない或いは無断増築している場合には、手続き違反していることを除き、建築士において、工事着手当時の法令に適合していることの証明をしていただく必要がある。違反部分については是正工事が必要となる。なお、証明方法等の手続きについては特定行政庁に事前に確認を行うこと。」としています。検査済証がない建物を正面から扱った記述で、建築士の証明が求められることがはっきり書かれています。ただし様式や記載事項は示されておらず、証明の方法は事前に特定行政庁へ確認することとされています。また、これは建築基準法の窓口(特定行政庁)に対する手続きであって、旅館業の許可申請の添付書類として定められたものではありません。
- 宿カギの対応
- 宿カギが作成を担当できる(証明の方法を特定行政庁に事前確認したうえで進める必要があります)
出典:ゲストハウスの取扱いに係る質疑応答<公開用>(令和8年3月31日。Q9に検査済証履歴のない建物の扱い)(鳥取県生活環境部くらしの安心局住宅政策課)/既存の戸建住宅を活用したゲストハウス・民宿の建築基準法上の取扱い(令和2年3月1日/令和8年3月31日改正)(鳥取県生活環境部くらしの安心局住宅政策課)
宿カギの実務メモ(鳥取県)
宿カギの補足 — 以下は自治体の公開資料の記載ではなく、宿カギが実務で得た見立てです。
鳥取県は、検査済証のない物件にとって全国でも読み応えのある県です。ただし情報があるのは旅館業のページではなく、県の住宅政策課が運営している建築基準法取扱いのデータベースのほうです。
そこには「既存の戸建住宅を活用したゲストハウス・民宿の建築基準法上の取扱い」という文書があり、開設までの手続きのフロー、質疑応答、そしてドミトリー型と一棟貸型それぞれの協議書の様式まで用意されています。住宅を宿泊施設に変える道筋が、建築の側から制度として整理されているわけです。
そのなかで最も重要なのが質疑応答のQ9です。検査を受けていない場合や無断増築がある場合について、建築士が「工事着手当時の法令に適合していること」を証明する必要があると明記しています。しかも「違反部分については是正工事が必要となる」とも書かれています。つまり調べたうえで直すべきものは直す、という前提が示されています。誠実な書き方だと思いますが、所有者から見れば費用の読みが必要になる部分でもあります。
注意していただきたいのは、この証明は建築基準法の窓口である特定行政庁に対するものであって、旅館業の許可申請の添付書類として定められたものではないという点です。証明の方法も様式化されておらず、事前に特定行政庁に確認することとされています。
もうひとつ、鳥取県では建築の窓口と旅館業の窓口が一致しません。たとえば米子市は建築基準法の特定行政庁ですが、旅館業の許可は県の西部総合事務所です。宿カギがこれまで扱ってきた案件でも、窓口が分かれている自治体では両方に並行して当たることが結果的に早道でした。
※ いずれも過去の個別案件での経験に基づくもので、同じ結果を保証するものではありません。