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静岡県で検査済証がない場合の旅館業許可

静岡県は、県が定めた添付書類と保健所が実務で求める書類が食い違っています。県の様式第1号の備考は添付資料を4点しか挙げず、検査済証にも建築確認にも触れません。ところが賀茂保健所だけは独自のチェックリストで「建築確認通知書及び建築物検査済証の写し」を必須とし、ない場合は土木事務所に相談したうえで出す「理由書」の専用様式まで用意しています。ほかの6保健所は旅館業の申請ページ自体を公開していません。政令市では静岡市が新築の場合に限って確認済証と工事検査済証を求め、浜松市は建築確認申請の前に旅館等設置届を出させます。

本ページは、静岡県の旅館業許可に関する公開手引き等に基づく建築書類まわりの整理です。手引きの内容は改定されることがあり、個別物件の扱いは物件の状態や窓口の判断によって異なります。最新の要件は、必ず管轄の保健所・建築部局でご確認ください。本ページは、許可の取得や証明書の発行を保証するものではありません。

静岡県の要点

「公開資料では確認できず」は、今回確認した公開資料の範囲に記載が見当たらなかったという意味です。その書類が不要であること、あるいは代替が認められないことを示すものではありません。実際の取扱いは物件ごとに異なるため、管轄の保健所・建築部局にご確認ください。

静岡県で検査済証がない場合に確認されている書類

検査済証そのものが見つからない場合

検査済証が手元にない、または交付されていない場合に、公開資料で案内されている書類です。

理由書(建築確認通知書・建築物検査済証を添付できない場合)

公開資料に記載のある書類/根拠:自治体の申請様式

位置づけ
自治体指定様式
条件
静岡県賀茂保健所(賀茂健康福祉センター衛生薬務課)管内=下田市・東伊豆町・河津町・南伊豆町・松崎町・西伊豆町。ほかの保健所・政令市には同種の様式が見当たりません。
取得・作成
申請者(土木事務所に相談したうえで作成。様式は下田土木事務所を前提に印字されています)
注意
賀茂保健所のチェックリストが「【ない場合】「理由書」 土木事務所に相談のうえ、経緯が明確に示されたもの(土木事務所との相談年月日を記載のこと)」として求めているもので、同保健所は専用のWord様式まで配布しています。様式の本文は「今回の申請にあたり、建築基準法に基づく確認通知書・検査済証の写しを添付すべきところ、下記の理由により添付できません。」で始まり、チェックボックス式で理由を選ぶ形です。挙げられている理由は「100㎡未満の建物で、建築確認不要のため」「建築基準法施行以前の建物のため、建築確認なし」「台帳の保管年度(昭和50年度)以前の建物で記録が残っていないため、確認通知書及び検査済証は発行されているか不明」などで、様式には「なお、建物につきましては、引渡し以降増改築等を行っておりません。」という記載も入ります。検査済証がない場合の道筋がここまで具体的に様式化されている例は多くありません。
宿カギの対応
宿カギが作成を担当できる(土木事務所への相談と、建築確認の有無を裏づける調査が前提になります)

出典:旅館業許可申請書 添付書類 チェックリスト(R8.4現在 賀茂保健所衛生薬務課)(静岡県(賀茂保健所))/理由書(賀茂保健所配布Word様式・建築確認通知書/検査済証を添付できない場合)(静岡県(賀茂健康福祉センター衛生薬務課))/旅館業許可申請について(賀茂健康福祉センター)(静岡県(賀茂保健所・衛生薬務課))

住宅などから用途変更する場合(建築基準法への適合確認)

住宅などを旅館業の施設に用途変更する場合の、建築基準関係規定への適合を確認するための書類です。検査済証の有無とは別の論点で、検査済証が手元にあるかどうかにかかわらず求められることがあります。

理由書(用途変更に伴う確認申請が不要と判断された場合)

公開資料に記載のある書類/根拠:自治体の申請様式

位置づけ
自治体指定様式
条件
静岡県賀茂保健所管内=下田市・東伊豆町・河津町・南伊豆町・松崎町・西伊豆町
取得・作成
申請者(土木事務所に相談したうえで作成)
注意
同じ賀茂保健所のチェックリストが、用途変更による申請のときに、土木事務所へ相談のうえ、なぜ用途変更の確認申請が不要であるかの経緯を記載して提出するよう求めているものです。選択肢は「100㎡未満の建築物若しくは建築基準法施行前で建築確認なし」「200㎡未満の用途変更」「その他(具体的に)」で、様式本文には「用途変更の対象となる床面積が200㎡以下のため、用途変更に伴う確認申請は不要。」「従前の用途が不明のため、用途変更が必要か判断できない。」といった項目があります。検査済証の有無とは別に、用途変更の手続きが要らないことを説明するための書類です。なお令和8年5月28日の国通知は、用途変更する床面積の合計が200㎡以下の場合について「建築基準関係規定に適合している旨の建築士による証明書」を求めるよう示しており、「用途変更する床面積の合計が200m²以下のものは、建築確認手続きが不要となりますが、用途変更後の建築基準関係規定への適合は必要となります。」としています。賀茂保健所のチェックリストは「R8.4 現在」=この通知より前の版のため、理由書だけで建築基準法の話が終わるとは限りません。
宿カギの対応
宿カギが作成を担当できる

出典:旅館業許可申請書 添付書類 チェックリスト(R8.4現在 賀茂保健所衛生薬務課)(静岡県(賀茂保健所))/理由書(賀茂保健所配布Word様式・建築確認通知書/検査済証を添付できない場合)(静岡県(賀茂健康福祉センター衛生薬務課))

そのほかの取扱い

上のどちらにも当てはまらない取扱いです。

旅館等設置届(第1号様式・浜松市旅館等設置指導要綱)

公開資料に記載のある書類/根拠:自治体の公式ウェブページ

位置づけ
自治体指定様式
条件
浜松市。届出の要否は要綱第3条第1項の「要領に規定する場合において」に係り、その要領は市サイトで公開されていないため公開資料からは確定できません。区域による限定は要綱本文にはありません。
取得・作成
浜松市(市長)
注意
浜松市の旅館等設置指導要綱に基づく事前の届出です。建築確認申請が必要なものは建築確認申請を行う前に、必要でないものは旅館業法第3条の許可を申請する前に、棟別に市長へ届け出るという構成で、建築の手続きと旅館業をつなぐ役割を果たしています。適用区域は商業地域以外の地域と、旅館業法第3条第3項各号の施設等の周囲200メートル以内です。ただし要綱第3条第1項の義務は「要領に規定する場合において」という限定つきで、その要領は市のサイトで公開されていないため、どの案件が届出の対象になるかは公開資料からは確定できません。届出が必要かどうかは市にご確認ください。なお別表(第4条関係)が定める区域(商業地域以外の地域/旅館業法第3条第3項各号の施設および浜松市旅館業法施行条例第4条第1項各号の施設の周囲200メートル以内)は、届出の要否ではなく第4条の構造等の基準が適用される区域です。
宿カギの対応
取得の進め方を案内できる

出典:浜松市旅館等設置指導要綱(浜松市)/旅館業関係/浜松市(浜松市(保健所生活衛生課))

建築士による証明書の取扱い

公開資料では確認できず/根拠:公開資料では確認できず

範囲
静岡県(7保健所)・静岡市・浜松市のいずれについても、建築士による証明書に関する記載を確認できていません。「建築士にご相談ください」という案内も見当たりませんでした。

賀茂保健所のチェックリストと理由書の様式、県衛生課の申請書ダウンロードページと県様式第1号の備考、静岡市の手続きページと様式第1号、浜松市の要綱(全47ページ)・施行細則・施行条例・様式1のいずれにも建築士に関する記載がありません。賀茂保健所の理由書が相談先として指定しているのも建築士ではなく土木事務所です。記載が確認できないことは、その書類が不要であること、あるいは建築基準法への適合が不要であることを意味しません。令和8年5月28日の通知(健生衛発0528第1号・国住指第164号)は都道府県・保健所設置市・特別区の担当部長宛てに出されており、公開ページに記載がないことは、その自治体が通知の対象外であることを意味しません。住宅などからの用途変更を伴う場合の取扱いは、管轄の保健所と建築部局の双方にご確認ください。同通知が求めているのは、用途変更する床面積の合計が200㎡を超える場合は「用途変更に係る確認済証」、200㎡以下の場合は「建築基準関係規定に適合している旨の建築士による証明書」です。

出典:旅館業許可申請書 添付書類 チェックリスト(R8.4現在 賀茂保健所衛生薬務課)(静岡県(賀茂保健所))/理由書(賀茂保健所配布Word様式・建築確認通知書/検査済証を添付できない場合)(静岡県(賀茂健康福祉センター衛生薬務課))/旅館業許可申請書(静岡県 様式第1号)(静岡県(健康福祉部生活衛生局衛生課))/旅館業許可申請書(浜松市 様式1(第1関係)/提出書類・提示書類1〜9を本文に列挙)(浜松市(保健所生活衛生課))/旅館業の許可時における建築基準法への適合確認の徹底について(令和8年5月28日 健生衛発0528第1号・国住指第164号)(厚生労働省・国土交通省)

静岡県内の管轄自治体による違い

静岡県内の旅館業の窓口は、県の7保健所(賀茂・熱海・東部・御殿場・富士・中部・西部。ほかに修善寺支所・榛原分庁舎・掛川支所・浜名分庁舎)と、政令指定都市である静岡市・浜松市の保健所です。市町への権限移譲は確認できませんでした。この県の特徴は、県が公式に定めた添付書類と、保健所が実務で求める書類が乖離していることです。県衛生課の申請書ダウンロードページと県様式第1号の備考は、添付資料を4点(定款等の写し/配置見取図・各階平面図/300メートル以内の略図/100メートル以内の学校等との距離の地図)しか挙げず、建築確認通知書・検査済証・消防法令適合通知書のいずれにも触れていません。それにもかかわらず、賀茂保健所は独自のチェックリストで検査済証を必須とし、ない場合の理由書の様式まで配布しています。ほかの6保健所は旅館業の申請ページ自体を公開していないため、検査済証をどう扱っているかは公開資料からは分かりません。記載が確認できないことは、その書類が不要であること、あるいは建築基準法への適合が不要であることを意味しません。

静岡県で検査済証がない場合に次に確認すること

上記は公開手引き等から読み取れる範囲の整理であり、次の点は個別物件ごとに管轄窓口での確認が必要です。

  1. まず物件の所在地の窓口を確認する(静岡市・浜松市なら各市の保健所、それ以外は県の7保健所のいずれか)。公開されている情報の量が大きく違います。
  2. 賀茂保健所の管内(下田市・東伊豆町・河津町・南伊豆町・松崎町・西伊豆町)なら、公開されているチェックリストをそのまま準備の基準にする。
  3. 賀茂保健所の管内で検査済証がない場合は、まず土木事務所に相談し、相談年月日を記録したうえで理由書の様式を入手する。
  4. 賀茂以外の県保健所の管内では、県の様式に検査済証の記載がないことを不要と受け取らず、必要書類を事前相談で直接確認する。
  5. 静岡市の物件では、用途変更の場合に何を求められるかを保健所に確認する(様式は新築の場合しか書いていません)。
  6. 浜松市の物件では、旅館等設置届の対象になるかを市に確認する(対象なら建築確認申請の前に届出が必要です)。
  7. 住宅などからの用途変更に当たるか、当たる場合は用途変更する床面積の合計が200㎡を超えるかを確認する。
  8. 検査済証が見つからない場合は、管轄の特定行政庁に確認済証・検査済証の台帳照会を依頼する。
  9. 消防法令適合通知書について、所轄の消防署に交付申請の手順を確認する(賀茂保健所は原本の提出、浜松市は写しの提出と本証の提示を求めています)。
  10. 建築や改装に着手する前に保健所へ相談する(静岡市は明確に指示しています)。

様式(公式ページ・ダウンロード)

リンク先は各自治体の公式ページです。様式は改正されることがあるため、提出前に最新版かどうかを必ずご確認ください。

宿カギの実務メモ(静岡県)

宿カギの補足 — 以下は自治体の公開資料の記載ではなく、宿カギが実務で得た見立てです。

静岡県で目を引くのは、賀茂保健所です。県の様式には検査済証が一言も出てこないのに、この保健所だけが独自のチェックリストで必須とし、しかも「ない場合」の理由書をWordの専用様式として配っています。チェックボックスには「建築基準法施行以前の建物のため、建築確認なし」「台帳の保管年度(昭和50年度)以前の建物で記録が残っていないため、確認通知書及び検査済証は発行されているか不明」といった項目が並びます。検査済証のない築古物件が現実にどう扱われているかが、様式の形で見える珍しい例です。

ここで大事なのは順序です。理由書は保健所に持ち込む前に、土木事務所に相談して相談年月日を記録しておく必要があります。相談なしに書いても通りません。

一方で、賀茂以外の6保健所は旅館業の申請ページ自体を出していません。県の様式だけを見ると検査済証は要らないように見えますが、同じ県の様式のもとで賀茂が必須としている以上、そう読むのは危険です。書かれていないだけかもしれません。

政令市も対照的です。静岡市は「新築の場合は」と条件をつけて確認済証と工事検査済証を求め、用途変更については何も書いていません。浜松市は検査済証に触れない代わりに、建築確認申請の前に旅館等設置届を出させます。宿カギがこれまで扱ってきた案件でも、こうした事前届出の存在に後から気づくと日程が動きました。早い段階で確かめておくのが確実です。

※ いずれも過去の個別案件での経験に基づくもので、同じ結果を保証するものではありません。

静岡県についてよくある質問

静岡県の様式には検査済証が書かれていません。不要ということですか。
そう読むことはできません。県衛生課の様式第1号の備考が挙げる添付資料は4点で、たしかに検査済証は含まれていません。しかし賀茂保健所は独自のチェックリストで「建築確認通知書及び建築物検査済証の写し」を必須としています。静岡市も新築の場合について確認済証と工事検査済証を求めています。記載が確認できないことは、その書類が不要であること、あるいは建築基準法への適合が不要であることを意味しません。管轄の保健所にご確認ください。 (出典:旅館業許可申請書(静岡県 様式第1号)) (出典:旅館業許可申請書 添付書類 チェックリスト(R8.4現在 賀茂保健所衛生薬務課)) (出典:旅館業許可申請書(静岡市 様式第1号(第17条関係)))
賀茂保健所の「理由書」とはどんな書類ですか。
建築確認通知書と建築物検査済証の写しを添付できない場合に、その理由を説明して提出する書類です。賀茂保健所が専用のWord様式を配布しており、チェックボックス式で理由を選びます。「100㎡未満の建物で、建築確認不要のため」「建築基準法施行以前の建物のため、建築確認なし」「台帳の保管年度(昭和50年度)以前の建物で記録が残っていないため、確認通知書及び検査済証は発行されているか不明」などが挙げられています。提出の前に土木事務所へ相談し、相談年月日を記載することが求められています。 (出典:旅館業許可申請書 添付書類 チェックリスト(R8.4現在 賀茂保健所衛生薬務課)) (出典:理由書(賀茂保健所配布Word様式・建築確認通知書/検査済証を添付できない場合))
賀茂保健所以外の管内でも理由書は使えますか。
公開資料では確認できていません。理由書の様式を配布しているのは賀茂保健所だけで、ほかの6保健所は旅館業の申請ページ自体を公開していません。様式も下田土木事務所を相談先として印字されています。ほかの管内で同じ扱いになるかどうかは、管轄の保健所にご確認ください。 (出典:理由書(賀茂保健所配布Word様式・建築確認通知書/検査済証を添付できない場合)) (出典:県内保健所一覧(県管轄・政令市管轄)) (出典:旅館業関係(静岡県 申請書ダウンロードサービス・健康福祉部衛生課))
浜松市の資料には検査済証が出てきません。何を用意すればよいですか。
浜松市の要綱・施行細則・施行条例・様式1には、たしかに建築確認通知書・確認済証・検査済証の記載がありません。ただし施行細則第3条第2項第6号に「前各号に掲げるもののほか、市長が必要があると認める図書」という包括条項があるため、記載がないことをもって不要と判断することはできません。また浜松市には旅館等設置指導要綱に基づく旅館等設置届があり、建築確認申請が必要なものはその前に、必要でないものは旅館業の許可申請の前に届け出ることになっています。まず市の保健所にご相談ください。 (出典:浜松市旅館業法施行細則) (出典:浜松市旅館業法の施行に関する要綱) (出典:浜松市旅館等設置指導要綱)

公式資料・確認日

本ページは公開資料の再調査を随時行っています。上記の確認日より後に、自治体側の資料が改定されている場合があります。

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静岡県版 建築書類チェックリスト

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免責事項
本ページは一般的な情報提供を目的とするものであり、個別物件について法的・技術的な判断を保証するものではありません。必要な書類や手続きは、自治体、建物の状況、用途、面積、改修履歴などにより異なります。実際の申請にあたっては、所管行政庁および建築士などの専門家へご確認ください。