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熊本県で検査済証がない場合の旅館業許可

熊本県と熊本市はどちらも検査済証を旅館業許可申請の添付書類として明記しています。県は施行細則第3条第2項第6号で「建築基準法第7条第5項の規定により建築主事等が交付する検査済証の写し」を法定の添付書類とし、熊本市も様式第1号の備考と手引きで求めています。検査済証がない場合に何を代わりに出せるかは、県・市いずれの旅館業所管課の公開資料にも記載がありません。唯一の明文の省略は、熊本市で営業を譲り受ける場合に譲渡証明書の提出により省略できることがある、という規定だけです。

本ページは、熊本県の旅館業許可に関する公開手引き等に基づく建築書類まわりの整理です。手引きの内容は改定されることがあり、個別物件の扱いは物件の状態や窓口の判断によって異なります。最新の要件は、必ず管轄の保健所・建築部局でご確認ください。本ページは、許可の取得や証明書の発行を保証するものではありません。

熊本県の要点

「公開資料では確認できず」は、今回確認した公開資料の範囲に記載が見当たらなかったという意味です。その書類が不要であること、あるいは代替が認められないことを示すものではありません。実際の取扱いは物件ごとに異なるため、管轄の保健所・建築部局にご確認ください。

熊本県で検査済証がない場合に確認されている書類

検査済証そのものが見つからない場合

検査済証が手元にない、または交付されていない場合に、公開資料で案内されている書類です。

検査済証交付済証明書/完了検査結果報告書記載事項証明書(熊本市)

公開資料に記載のある書類/根拠:自治体の公式ウェブページ

位置づけ
台帳記載事項証明
条件
熊本市。検査済証が交付されている物件に限られます。
取得・作成
熊本市(都市建設局建築指導課)
注意
熊本市が交付している証明書です。検査済証交付済証明書は特定行政庁である熊本市が検査済証を交付した分について、完了検査結果報告書記載事項証明書は指定確認検査機関が検査済証を交付した分について交付されます。いずれも検査済証が現に交付されている物件で原本を紛失した場合の証明であり、そもそも完了検査を受けていない建築物には交付されません。熊本市保健所が旅館業許可申請でこれを検査済証の代わりに受理する旨の記載は、旅館業の側の公開資料にはありません。
宿カギの対応
取得の進め方を案内できる

出典:各種証明書等の発行制度について(主として建築基準法の規定に関するもの/熊本市)(熊本市)

住宅などから用途変更する場合(建築基準法への適合確認)

住宅などを旅館業の施設に用途変更する場合の、建築基準関係規定への適合を確認するための書類です。検査済証の有無とは別の論点で、検査済証が手元にあるかどうかにかかわらず求められることがあります。

既存不適格調書(熊本県建築基準法施行細則 別記第1号の3様式)+現況調査報告書

公開資料に記載のある書類/根拠:自治体の申請様式

位置づけ
適合状況調査
条件
熊本県(土木部建築課/各広域本部土木部景観建築課の所管区域)。天草市へ提出する場合は天草市の施行細則の様式を使います。
取得・作成
建築士(調査者)から建築主事あて
注意
建築基準法第86条の7第1項が適用される既存不適格建築物の増改築等の確認申請で、施行規則第1条の3により添付が必要な書類です。調査者の欄が「( )建築士( )登録第 号」となっており建築士が作成することが前提で、「3 調査結果概要 ①確認済証番号 □有り □無し ②検査済証番号 □有り □無し」という欄があります。つまり検査済証がない建築物についても記載できる様式です。県は現況調査報告書の様式例も参考として公開しています。旅館業の許可申請の書類ではなく、建築確認の手続きに添えるものです。
宿カギの対応
宿カギが作成を担当できる(建築士による現況調査が必要になります)

出典:既存不適格調書(熊本県建築基準法施行細則 別記第1号の3様式(第4条関係))(熊本県)/現況調査報告書(様式例・熊本県土木部建築課)(熊本県)

建築基準法第12条第5項に基づく建築物報告書(無検査建築物・無確認建築物の取扱い)

公開資料に記載のある書類/根拠:自治体の公式ウェブページ

位置づけ
適合状況調査
条件
熊本県(県央・県北・県南の各広域本部土木部景観建築課の所管区域=熊本市・八代市・天草市を除く)および熊本市
取得・作成
建築主(報告先は県の広域本部土木部景観建築課または熊本市建築指導課)
注意
県は「敷地内の建築確認を受けていない既存建築物等について、広域本部から建築基準法第12条第5項に基づく報告を求められた場合に使用する様式」を公開しています。申請者が任意に選べる代替書類ではなく、行政からの求めに応じて提出する報告である点にご注意ください。熊本市はさらに具体的で、市の建築基準法取扱(総19001)が確認申請の審査において、敷地内の既存建築物が「無検査建築物」「無確認建築物・確認不明建築物」に当たる場合に、確認情報・12条5項報告情報・適法性の調査結果・その後の改変や劣化の情報を配置図等に記載して審査の対象とする、という運用を定めています。いずれも建築確認の側の手続きで、旅館業の添付書類ではありません。
宿カギの対応
宿カギが作成を担当できる

出典:建築基準法第12条第5項に基づく建築物報告書等について(熊本県版)(熊本県)/建築基準法第12条第5項に基づく建築物報告書等について(熊本市版)(熊本市)/熊本市建築基準法取扱(2025年度版/総19001に無検査建築物・無確認建築物の取扱い)(熊本市)

そのほかの取扱い

上のどちらにも当てはまらない取扱いです。

建築確認等台帳記載事項証明(旧:建築確認済証明/熊本県)

公開資料に記載のある書類/根拠:自治体の公式ウェブページ

位置づけ
台帳記載事項証明
条件
熊本県(熊本市・八代市・天草市を除く県内各地域)。熊本市・八代市・天草市内は各市役所の建築担当部署が窓口です。
取得・作成
熊本県(各広域本部土木部景観建築課)
注意
熊本県が交付する証明書ですが、県自身が「この証明書は、建築物が過去に建築確認を受けたことを証明するものであり、現在の建築物の適法性を証明するものではありません。」と明記しています。証明されるのは建築確認を受けたことであって、検査済証や完了検査に関することではありません。建築の時期により台帳が存在しない場合は証明できないことがあります。手数料は1件400円です。旅館業許可で検査済証の代わりとして受理される旨の記載はありません。
宿カギの対応
取得の進め方を案内できる

出典:建築確認等台帳記載事項証明について(旧:建築確認済証明/熊本県)(熊本県)

ホテル等建築計画届出書(熊本市ラブホテル建築規制に関する条例)

公開資料に記載のある書類/根拠:自治体の申請手引き

位置づけ
自治体指定様式
条件
熊本市(政令指定都市)
取得・作成
熊本市(保健所生活衛生課/審査は熊本市ホテル等建築審査会)
注意
熊本市の条例に基づく届出です。旅館・ホテル営業または簡易宿所営業の施設について、建築基準法第2条第13号から第15号までの建築・大規模の修繕・大規模の模様替、もしくは同法第87条第1項の用途の変更を行う場合、建築確認申請の前に届出が必要です。熊本市ホテル等建築審査会の審査を経て判定通知書の交付を受けてから建築確認申請に進みます。提出は15部です。既存の建物を旅館業に用途変更する場合も対象になります。
宿カギの対応
取得の進め方を案内できる

出典:旅館・ホテル、簡易宿所等の手続きについて(2026年5月19日更新)(熊本市(政令指定都市・熊本市保健所 生活衛生課))/旅館業法許可の手引き(PDF・6ページ)(熊本市 健康福祉局 保健衛生部(熊本市保健所)生活衛生課)

建築士による証明書の取扱い

公開資料では確認できず/根拠:公開資料では確認できず

範囲
熊本県(薬務衛生課・県内各保健所)および熊本市(熊本市保健所生活衛生課)の旅館業関係の資料のいずれにも、建築士による証明書に関する記載を確認できていません。

旅館業の許可の文脈で建築士に触れた記載は、県・市いずれの公開資料にもありませんでした。記載が確認できないことは、その書類が不要であること、あるいは建築基準法への適合が不要であることを意味しません。令和8年5月28日の通知(健生衛発0528第1号・国住指第164号)は都道府県・保健所設置市・特別区の担当部長宛てに出されており、公開ページに記載がないことは、その自治体が通知の対象外であることを意味しません。なお建築の側では、県の既存不適格調書(施行細則の別記第1号の3様式)と現況調査報告書の様式例が調査者を建築士としており、検査済証の有無を記入する欄もあります。ただしこれは建築確認の手続きに添える書類であって、旅館業の許可申請の書類ではありません。

出典:旅館業営業許可申請(2020年8月1日更新)(熊本県(健康福祉部 薬務衛生課/県保健所管轄区域))/旅館・ホテル、簡易宿所等の手続きについて(2026年5月19日更新)(熊本市(政令指定都市・熊本市保健所 生活衛生課))/旅館業法許可の手引き(PDF・6ページ)(熊本市 健康福祉局 保健衛生部(熊本市保健所)生活衛生課)/既存不適格調書(熊本県建築基準法施行細則 別記第1号の3様式(第4条関係))(熊本県)/旅館業の許可時における建築基準法への適合確認の徹底について(令和8年5月28日 健生衛発0528第1号・国住指第164号)(厚生労働省・国土交通省)

熊本県内の管轄自治体による違い

熊本県内の旅館業の窓口は、県内各保健所(菊池・阿蘇・有明など、地域振興局や広域本部の保健福祉環境部に置かれる保健所)と、政令指定都市である熊本市の保健所です。県の権限移譲に関する条例に旅館業の移譲はありません。検査済証はどちらも添付書類として明記されており、県は施行細則第3条第2項第6号で法定の添付書類としています。熊本市は要綱の様式第1号の備考で「建築基準法による営業施設の検査済証」、手引きで「建築基準法による施設の検査済証」、ウェブページで「建築確認申請の検査済証の写し」と、資料によって表現が少しずつ違います。検査済証がない場合の代替は、県・市いずれの旅館業の資料にも記載がありません。記載が確認できないことは、その書類が不要であること、あるいは建築基準法への適合が不要であることを意味しません。県・市とも様式の備考の末尾に「その他保健所長が必要と認める書類」という包括条項があり、個別判断の余地は残されています。

熊本県で検査済証がない場合に次に確認すること

上記は公開手引き等から読み取れる範囲の整理であり、次の点は個別物件ごとに管轄窓口での確認が必要です。

  1. 物件の所在地の窓口を確認する(熊本市なら市保健所、それ以外は県内各保健所)。
  2. 検査済証の写しが用意できるかを確認する(県は施行細則で法定の添付書類、熊本市も様式の備考で求めています)。
  3. 営業を譲り受ける形での申請なら、熊本市では譲渡証明書の提出により検査済証の写しを省略できる場合があるため、該当するかを確認する。
  4. 検査済証を紛失している場合は、熊本市内なら検査済証交付済証明書または完了検査結果報告書記載事項証明書、それ以外の県内なら建築確認等台帳記載事項証明が使えるかを建築部局に確認する。
  5. 県の建築確認等台帳記載事項証明は建築確認を受けたことの証明であり、検査済証や完了検査の証明ではない点に注意する。
  6. 検査済証がそもそも交付されていない場合は、建築基準法第12条第5項の報告の対象になるかを建築部局に確認する(熊本市は取扱いを具体的に公表しています)。
  7. 既存不適格建築物の増改築等に当たる場合は、既存不適格調書(建築士が調査者)が必要になるため、調査を依頼できるかを整理する。
  8. 熊本市の物件では、ラブホテル建築規制に関する条例に基づくホテル等建築計画の届出が必要かを確認する(用途変更も対象で、建築確認申請の前の手続きです)。
  9. 住宅などからの用途変更に当たるか、当たる場合は用途変更する床面積の合計が200㎡を超えるかを確認する。
  10. 消防については、県の管内では消防法令適合通知書が提出書類に挙がっています。熊本市は手引きに記載がないため、所轄の消防署に必要な手続きを確認する。

様式(公式ページ・ダウンロード)

リンク先は各自治体の公式ページです。様式は改正されることがあるため、提出前に最新版かどうかを必ずご確認ください。

宿カギの実務メモ(熊本県)

宿カギの補足 — 以下は自治体の公開資料の記載ではなく、宿カギが実務で得た見立てです。

熊本県は、検査済証を求めることが県の規則にはっきり書かれている県です。施行細則第3条第2項第6号に「建築基準法第7条第5項の規定により建築主事等が交付する検査済証の写し」とあり、法定の添付書類になっています。熊本市も様式の備考と手引きで求めています。

そのうえで、検査済証がない場合にどうするかは旅館業の側に一切書かれていません。県・市とも代替の記載がなく、残るのは様式の末尾の「その他保健所長が必要と認める書類」という包括条項だけです。

実務が動くのは建築の側です。熊本市の建築基準法取扱には、確認申請の審査で敷地内の既存建築物が「無検査建築物」「無確認建築物・確認不明建築物」に当たる場合の取扱いが具体的に定められています。県も建築基準法第12条第5項に基づく報告書の様式を公開しています。既存不適格調書は調査者が建築士で、検査済証の有無を記入する欄まであります。つまり検査済証がない建物を扱う枠組みは建築の側に用意されている、ということです。

ひとつ実務的に価値がある発見をお伝えします。熊本市では、営業を譲り受ける形での許可申請なら、譲渡証明書の提出によって平面図などの図面と建築確認申請の検査済証の写しを省略できることがあると明記されています。県内で唯一の明文の省略規定です。物件の取得の仕方によって必要書類が変わりうる、ということでもあります。宿カギがこれまで扱ってきた案件でも、譲受けの形が取れるかどうかで段取りが変わったことがありました。

もう一点、熊本市ではラブホテル建築規制に関する条例に基づく届出が、用途変更を含む建築行為について建築確認申請の前に必要です。審査会の判定通知書が出てから確認申請という順序なので、日程に影響します。

※ いずれも過去の個別案件での経験に基づくもので、同じ結果を保証するものではありません。

熊本県についてよくある質問

熊本県で検査済証がない場合、代わりになる書類はありますか。
県・熊本市いずれの旅館業所管課の公開資料にも、検査済証がない場合の代替書類の記載を確認できていません。記載が確認できないことは、その書類が不要であること、あるいは建築基準法への適合が不要であることを意味しません。県・市とも様式の備考の末尾に「その他保健所長が必要と認める書類」という包括条項があり、個別判断の余地は残されています。まず管轄の保健所にご相談ください。建築の側では、検査済証がない建物について建築基準法第12条第5項の報告や既存不適格調書の枠組みがあります。 (出典:旅館業営業許可申請(2020年8月1日更新)) (出典:熊本県旅館業法施行細則(昭和34年9月5日規則第23号)) (出典:旅館業法許可の手引き(PDF・6ページ)) (出典:熊本市建築基準法取扱(2025年度版/総19001に無検査建築物・無確認建築物の取扱い))
熊本市で営業を譲り受ける場合は検査済証が要りませんか。
省略できる場合があります。熊本市は「営業を譲り受ける際の許可申請では、譲渡証明書の提出で上記3,4の書類を省略できることがあります」としており、この3・4に平面図などの図面と建築確認申請の検査済証の写しが含まれます。熊本市の公開資料で確認できた唯一の検査済証の省略規定です。ただし「できることがあります」という書き方ですので、実際の可否は市保健所生活衛生課にご確認ください。 (出典:旅館・ホテル、簡易宿所等の手続きについて(2026年5月19日更新)) (出典:旅館業法許可の手引き(PDF・6ページ))
検査済証を紛失しました。熊本県では証明が取れますか。
熊本市内であれば、市が検査済証交付済証明書(市が交付した分)と完了検査結果報告書記載事項証明書(指定確認検査機関が交付した分)を発行しています。熊本市・八代市・天草市を除く県内では、県が建築確認等台帳記載事項証明を交付していますが、こちらは「建築物が過去に建築確認を受けたことを証明するものであり、現在の建築物の適法性を証明するものではありません」と明記されており、建築確認を受けたことの証明であって検査済証の証明ではありません。いずれも旅館業許可での受理可否は旅館業の側の資料に記載がありません。 (出典:各種証明書等の発行制度について(主として建築基準法の規定に関するもの/熊本市)) (出典:建築確認等台帳記載事項証明について(旧:建築確認済証明/熊本県))
熊本市で旅館をはじめる場合、旅館業の許可のほかに手続きはありますか。
あります。熊本市ラブホテル建築規制に関する条例に基づくホテル等建築計画の届出です。旅館・ホテル営業または簡易宿所営業の施設について、建築基準法第2条第13号から第15号までの建築・大規模の修繕・大規模の模様替、もしくは同法第87条第1項の用途の変更を行う場合、建築確認申請の前に届出が必要です。熊本市ホテル等建築審査会の審査を経て判定通知書の交付を受けてから確認申請に進みます。提出は15部です。 (出典:旅館・ホテル、簡易宿所等の手続きについて(2026年5月19日更新)) (出典:旅館業法許可の手引き(PDF・6ページ))

公式資料・確認日

本ページは公開資料の再調査を随時行っています。上記の確認日より後に、自治体側の資料が改定されている場合があります。

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免責事項
本ページは一般的な情報提供を目的とするものであり、個別物件について法的・技術的な判断を保証するものではありません。必要な書類や手続きは、自治体、建物の状況、用途、面積、改修履歴などにより異なります。実際の申請にあたっては、所管行政庁および建築士などの専門家へご確認ください。