検査済証がない建物の適合証明・現況調査の費用相場と期間|実額で解説
結論からいうと、検査済証がない建物の適合証明・現況調査には「一律の費用相場」と呼べる公表データがほとんど存在しません。 費用は建物の状況・残っている資料・現地調査の要否によって案件ごとに大きく変わり、料金を公表している事業者・機関自体が少ないためです。
検査済証がない建物の法適合を確認する枠組みとしては、従来「建築基準法適合状況調査(報告書)」と呼ばれてきた調査があり、現行では国土交通省の「既存建築物の現況調査ガイドライン」(令和7年4月1日に平成26年の旧ガイドラインを統合)に基づく「現況調査報告書」として、建築士が調査・作成にあたります。公表されている料金の例としては、指定確認検査機関が報告書作成手数料220,000円(税別・規模による)に図上調査・現地調査の手数料を加算する体系を公開している例があります。
宿カギでは、用途変更する床面積の合計が200㎡以下で、確認済証・確認申請図面・現況写真等の資料が揃い、建築士による適合証明の作成が可能と判断された場合の料金を、ベーシック120,000円(税別・4〜8週間)/あんしん170,000円(税別・2〜4週間)/特急あんしん250,000円(税別・最短5営業日)と公開しています。ただし、検査済証がない物件、200㎡を超える物件、現地調査や12条5項報告書が必要な物件は、この定額の対象外で、無料診断後に別途お見積りとなります。 また、いずれの場合も、費用を負担すれば証明書の発行や旅館業許可が保証されるわけではありません。
本記事は建築基準法など国の制度を前提としていますが、提出様式や運用は自治体・保健所により異なります。最終確認日:2026年7月31日。
この記事の要点
| 項目 | 要点 |
|---|---|
| 費用相場 | 一律の公表相場はほぼ存在しない。案件差が大きく、料金を公表する事業者・機関が少ない |
| 調査の枠組み | 建築基準法適合状況調査(報告書)=現行は「既存建築物の現況調査ガイドライン」に基づく現況調査報告書。調査者は建築士 |
| 公表料金の例 | 指定確認検査機関の公表例:報告書作成手数料220,000円(税別・規模による)+図上調査・現地調査手数料 |
| 宿カギの料金 | 120,000円〜250,000円(税別)。200㎡以下で資料が揃い、建築士が対応可能と判断した場合 |
| 宿カギの期間 | ベーシック4〜8週間/あんしん2〜4週間/特急あんしん最短5営業日 |
| 定額の対象外 | 検査済証がない物件・200㎡超・現地調査や12条5項報告書が必要な物件は無料診断後に別途見積り |
| 保証について | 費用を支払っても、証明書の発行や旅館業許可の取得が保証されるわけではない |
本記事の各項目は、記録上の最終確認日を2026年7月31日として整理しています。
なぜ費用相場が見えにくいのか
「検査済証がない建物の適合証明はいくらかかるのか」を調べても、具体的な金額がほとんど出てこないのには理由があります。
案件ごとの作業量の差が極端に大きい
適合証明・現況調査の作業量は、建物側の条件によって数倍単位で変わります。
- 資料の有無:確認済証・確認申請図書・図面が残っていれば書類確認が中心になりますが、何も残っていない場合は現地調査・実測から現況図や現況復元図を作成する必要があり、作業量が大きく増えます。
- 現地調査の要否:書類確認で足りる案件と、現地での調査・実測が必要な案件では、調査費に加えて交通費・日程調整の負担も変わります。
- 建物の規模・構造・改修履歴:延べ面積や階数、増築・改修の履歴の複雑さは、確認すべき項目の数に直結します。
このため、建物を特定しないまま「相場は○○円」と示すことは、実務的に難しいのが実情です。
調査費用と証明書発行は別であること
もうひとつの理由は、費用の内訳が「調査」と「報告書・証明書の作成」に分かれることです。調査を行っても、適合が確認できず証明書の発行に至らない場合があります。このため、多くの専門家・機関は金額を事前に確定させにくく、個別見積りを原則としています。
料金を公表している事業者・機関が少ない
建築士事務所の報酬は業務内容に応じた個別の契約によることが通常で、この種の調査について具体的な金額を公表している例は多くありません。指定確認検査機関の一部が料金表を公開していますが(次章)、機関によっては個別見積りのみ、あるいはこの調査業務の取扱いを終了している場合もあります。
公表されている第三者の料金例
調査の枠組み:ガイドライン調査(現況調査報告書)
検査済証がない建物の法適合状況を確認する国の枠組みとして、平成26年に「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」が定められ、これに基づく調査は「ガイドライン調査」「建築基準法適合状況調査」と呼ばれてきました。このガイドラインは令和7年4月1日をもって「既存建築物の現況調査ガイドライン」(国土交通省)に統合・一本化され、現行の枠組みでは建築士が建築基準法令への適合状況を調査し、「現況調査報告書」を作成する整理になっています。自治体や審査機関では従来の名称が引き続き使われることもあります。
指定確認検査機関の公表料金の例
この調査について料金体系を公表している機関の例として、株式会社日本確認検査センターは、建築基準法適合状況調査の手数料をおおむね次の構成で公開しています(2026年7月31日時点の同社ウェブサイトによる)。
| 費目 | 公表されている算定方法 |
|---|---|
| 図上調査手数料 | 確認審査手数料(同社料金表)の審査料の2倍に構造審査手数料を合算 |
| 現地調査手数料 | 検査手数料(同社料金表)の完了検査(中間検査がない場合)の2倍 |
| 報告書作成手数料 | 規模にもよるが1件220,000円 |
※ いずれも消費税別。手数料は原則としてこの3つの費目を基準に、作業の難易度により別途見積りとされています。
このように、公表例では「図上調査+現地調査+報告書作成」の合計で構成され、報告書作成だけで20万円台、これに図上調査・現地調査の手数料が加わる体系になっています。建物の規模・用途によって図上調査・現地調査部分の金額は変動するため、合計額は案件ごとに異なります。
なお、こうした料金表を公表している機関は一部にとどまり、多くの機関・建築士事務所は個別見積りとしています。公表例が少ないこと自体が、この分野の費用の見通しを立てにくくしている一因です。
宿カギの実際の料金と適用条件
相場が見えにくい分野だからこそ、宿カギでは建築士による適合証明サポートの料金を公開しています。以下は本記事作成時点の料金です。
公開料金(200㎡以下・資料が揃う場合)
| プラン | 料金(税別) | 期間の目安 |
|---|---|---|
| ベーシック | 120,000円 | 4〜8週間で建築士証明を準備 |
| あんしん | 170,000円 | 2〜4週間で建築士証明を準備 |
| 特急あんしん | 250,000円 | 最短5営業日で建築士証明を準備 |
いずれのプランも、物件診断(無料)、確認済証・図面・現況資料の確認、自治体・保健所の案内内容の整理、建築士による適合証明の対応可否確認を含み、対応可能な場合に建築士による証明書作成・署名へ進みます。あんしん・特急あんしんには対象条件内での不受理時返金保証が含まれます(ベーシックには含まれません)。
適用条件と定額の対象外(重要)
上記の料金は、用途変更する床面積の合計が200㎡以下で、建築士による適合証明の作成が可能と判断された場合のものです。確認済証・確認申請図面・現況写真等の資料を確認したうえで対応可否をお伝えし、対応可能な場合のみ証明書の作成へ進みます。建物の状態や資料の不足により、建築士が適合証明を作成できない場合があります。
次に該当する物件は定額の対象外で、無料診断後に別途お見積りとなります。
- 検査済証がない物件
- 用途変更する床面積の合計が200㎡を超える物件
- 現地調査が必要な物件(交通費・調査費を別途いただく場合があります)
- 行政から12条5項報告書を求められた物件
なお、200㎡という区切りは、建築基準法上、旅館などの特殊建築物への用途変更で確認申請が必要となる規模(用途に供する部分の床面積の合計が200㎡超)に対応しています(建築基準法第6条第1項第1号・第87条第1項)。200㎡以下であれば用途変更の確認申請は不要とされますが、建築基準法の基準そのものへの適合が不要になるわけではなく、保健所等から法適合の確認を求められる場合があります。
この価格で対応できる理由
宿カギでは、200㎡以下で確認済証・確認申請図面・現況資料が揃っているケースに絞り、物件情報・保健所からの案内内容・必要書類を事前に当方で整理することで、建築士が法令適合の確認・判断・証明書作成に集中できる仕組みにしています。そのため、建築士を個別に探す場合に比べて費用と期間の見通しを立てやすくしています。逆にいえば、資料が不足している場合や検査済証がない場合は、この効率化の前提が崩れるため、調査内容に応じた個別見積りが必要になります。
期間が変わる要因
費用と同様、期間も案件差が大きい要素です。主な変動要因を整理します。
- 資料の揃い方:確認済証・確認申請図書・図面が揃っていれば書類確認中心で進みますが、欠けている場合は資料の再収集(自治体での建築計画概要書・台帳記載事項証明の確認など)や現地調査・実測、現況図の作成が加わり、その分の期間が必要になります。
- 現地調査の要否と日程:現地調査が必要な場合、日程調整・移動・調査後の図面化の期間が加わります。
- 建物の規模・構造・改修履歴:確認項目が多いほど調査・判断に時間を要します。増築・改修があると、その範囲の確認が追加されます。
- 自治体・保健所とのやり取り:求められる書類の種類・様式の確認、指定様式の有無、追加資料の指示などにより、往復の期間が生じる場合があります。運用は自治体により異なります。
- 調査結果:調査の結果、追加確認や改修が前提と判断された場合は、当初の見通しより長くなるか、証明書の発行に至らないこともあります。
宿カギの公開プランの期間(4〜8週間/2〜4週間/最短5営業日)は、200㎡以下で資料が揃い、建築士が対応可能と判断した場合の目安です。これに当てはまらない案件の期間は、無料診断の際に個別にお伝えします。
よくある質問
検査済証がない建物の適合証明の費用はいくらかかりますか?
一律の相場を示すことは難しく、費用は建物の状況・資料の有無・現地調査の要否により大きく変わります。公表例としては、指定確認検査機関がガイドライン調査(現況調査報告書)の料金体系を公開している例があり、報告書作成手数料220,000円(税別・規模による)に図上調査・現地調査の手数料が加わる構成のものがあります。宿カギでは、200㎡以下で資料が揃い建築士が対応可能と判断された場合の料金を120,000円〜250,000円(税別)と公開していますが、検査済証がない物件・200㎡超・現地調査や12条5項報告書が必要な物件は無料診断後の個別見積りとなります。
調査を始めてから証明書の発行までどのくらいの期間がかかりますか?
期間は案件により幅があり、一律には示せません。宿カギの公開プランでは、200㎡以下で資料が揃い建築士が対応可能と判断された場合、ベーシックで4〜8週間、あんしんで2〜4週間、特急あんしんで最短5営業日を目安としています。資料が不足している場合や現地調査・実測が必要な場合はこれより長くなり、調査を行っても証明書の発行に至らない場合もあります。
残された確認事項
本記事は国の制度と公開情報を前提とした一般的な整理であり、次の点は個々の建物・自治体の状況によって変わります。一般的な説明だけでは定まりません。
- 個別の案件の費用・期間は、建物の規模・構造・資料の有無・現地調査の要否・改修履歴により異なり、診断・見積りを経なければ確定しません。
- 指定確認検査機関の料金表・取扱い状況は機関ごとに異なり、改定・業務終了の可能性があるため、依頼前に各機関の最新の公表内容の確認が必要です。
- 宿カギの料金・プラン内容は本記事作成時点のもので、最新の内容はサイトの料金案内でご確認ください。返金保証の対象条件の詳細は個別にご案内します。
- 検査済証がない物件・200㎡超の物件・12条5項報告書が求められた物件の費用は、調査内容が確定するまで見積りできません。
- 自治体・保健所がどの書類(適合証明・現況調査報告書・指定様式など)を求めるかは運用により異なり、必要な作業と費用に影響します。
- 調査を行っても、適合が確認できず証明書の発行に至らない場合や、追加確認・改修が前提と判断される場合があります。
いずれの場合も、費用の支払いや調査の実施が、旅館業許可の取得や証明書の発行を保証するものではありません。
関連記事
ご相談について
費用や期間の見通しが立たず前に進めない、という段階のご相談で問題ありません。物件資料と、保健所・自治体から受けた案内内容をご共有いただければ、無料診断で、公開プランの対象になるか、別途見積りが必要な調査があるか、期間の目安とあわせて整理してお伝えします。資料が揃っていなくてもご相談は可能です。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。実際に必要となる書類や手続きは、建物の状態、用途、規模、所在地、自治体の運用によって異なります。旅館業許可の取得や証明書の発行を保証するものではありません。
同じ状況でお困りの方へ
まずは無料の物件診断から。翌営業日までに対応可否を回答します(書類が見つからない物件もOK)。対応可能な場合は、建築士による証明書の準備を12万円〜でサポートします。
無料で対応可否を診断してもらう →